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73 相思華(상사화)
2017年2月19日
吉田 美智枝 吉田 美智枝 [よしだ みちえ]

福岡県生まれ、横浜市在住。夫の仕事の関係で韓国ソウルとタイのバンコクで過ごした。韓国系の通信社でアシスタント、翻訳、衆議院・参議院で秘書、韓国文化院勤務などを経て現在に至る。自作のアクセサリーをBeads Duoというブランドで販売しながら、韓国の主に女性たちについてエッセーを執筆中。『朝鮮王朝の衣装と装身具』(共著)、韓国近代文学選などの翻訳がある。
▲ 相思華の咲く江陵船橋荘…赤い彼岸花より一足早く7,8月にかけて花が開く。
(写真提供:韓国江原道 江陵船橋荘館長 李康白氏)
▲ 日本のTVでも放送され人気を博した歴史ドラマ「ファンジニ」は、その撮影のほとんどが江陵船橋荘(カンヌン ソンギョジャン)にて行われた。
相思華(そうしか)という花に出会ったのは、昨夏に旅した韓国江陵でのことであった。ピンク色の花が、土からまっすぐ伸びた茎の上に乗っかるように咲く。その姿は優雅で優しい。彼岸花に似ているが異なる花である。

韓国では、彼岸花を相思華(サンサフア)という人もいるようで、どちらも同じ根をもつ植物でありながら、花と葉っぱが同時にみられることがないことから、お互いを想いつつ永遠に会うことの叶わない切ない男女の愛に例えられる。相思華は日本では夏ズイセン、または裸百合といわれる。

相思ということばからは、朝鮮王朝時代の女流詩人、黄真伊(ファンジニ)が残した「相思夢」という詩が思い浮かぶ。

相思相見只憑夢
儂訪歡時歡訪儂
願使遙遙他夜夢
一時同作路中途

恋しい人よ せめて夢の中ででも会えたら…
夢の中の道にも分かれ道があるから
私が訪ねていくときは貴方も…すれ違いにならないよう
次は 同じ時刻に同じ道を発って道の真ん中で会いましょう。

現実の世界で叶わぬ恋でも、せめて夢のなかで叶えたいと思う切ない心情を歌った詩といわれる。

黄真伊は、当時、高名な哲学者・花潭(徐敬徳)の道学、朴淵の名瀑とならんで”松都の三絶”のひとつに称えられるほどの美貌を持ち、詩歌・音曲(唱)・舞踊に秀でた実在の妓女(キーセン)であった。松都(ソンド)は開城(ケソン)の昔の呼称で、現在は北朝鮮領となっている。

その夏、江陵船橋荘という350年の歴史を持つ両班(ヤンバン)の館に泊まり、松の香りが芳しい江陵のいくつかの史跡を巡った。この館だけでなく、行く先々でこの花がひっそりと咲くのを見かけた。

眩しい陽光のもと、うだるような酷暑の中で出会った見知らぬ花に、古えの人々の心、人生の儚さを垣間見た気がした。花の名前に込められた韓国の人々の情と想い…私たち日本人がどこかに置き忘れてきた”物語”と詩がそこにはあった。

日本でも知られる韓国歴史ドラマ「黄真伊」の撮影の舞台となったのが、地理的に韓国の東北にあって当時の松都の雰囲気の残る江陵と江陵船橋荘である。

相思華から相思夢へ…いにしえの女流詩人黄真伊の思いを辿る夏の旅であった。松林、白い砂浜…今も脳裡に鮮やかである。

상사화란 꽃을 만난것이 한국강릉에 여행한 작년여름였다. 분홍색 꽃이 땅에서 불쑥 올라와 피어있는 그 모습이 우아하고 눈길을 끌었다. 꽃무릇을 닮았는데 색갈도 꽃잎도 달라 다른꽃이었다.

한국에선 꽃무릇도 상사화라고 부는 사람들도 있다고들었다. 둘다 뿌리를 같이 하면서 잎과 꽃이 함게 볼수없을것으로 서로가 사랑하면서도 영원히 볼수없는 애절한 남녀의사랑에 비유된다. 일본에선 상사화를 여름수선화 또는 나체백화, 꽃무룻을 피안화라고 한다.

”상사” 란 말을 들을때 조선시대의 여류시인 황진이가 엮은 시 ”상사몽”이 떠오른다.

相思相見只憑夢
儂訪歡時歡訪儂
願使遙遙他夜夢
一時同作路中途

그립고 그리운 임 꿈속에서나마 볼수 있으면...
내가 임찾아 나설때 임도 정녕 딴 길로 날 찾아 나서는지
같은시간 같은길 함게 나서면
중간에서 볼수 있겠다

꿈길에서도 갈래가 있어 서로 어긋났으면 ... 같은시간 같은길을 함게 너서면 만날수 있을것이라... 
(시와 해석부분은 인터넷자료를 참고로했음)

황진이는 당시 화담・서경덕의 도학, 박연의 명폭과 함게 ”송도의 삼절”의 하나로 칭해질 정도의 미모를 가지고, 시, 음악,무용에 잘빠진 실재한 기녀였다. 송도는 개성의 옛명이고 현재는 북한의 땅이다.

강릉선교장이라는 350년을 넘는 양반고택에 머물면서 소나무 향기가 풍기는 강릉의 사적들을 찾아다녔다.

눈부신 햇살아래 찌는듯한 더위속에서 만난 낮선 꽃이 사람들마음을 애절하게 하고, 인생의 덧없음을 비춘다. 그이름에 한국인들의 정과 풍부한 감성을 느낀 여름였다. 우리 일본인들이 어디엔가 잊어버려 왔던 ”스토리”와 시가 거기엔 있었다.

일본에서도 알려져있는 역사드라마 ”황진이”의 촬영무대가 되었던 곳이, 지리적으로 한국의 아름다운 동해안에 위치하고, 그 당시의 송도의 분위기가 남아있는 역사적인 도시 강릉, 그리고 이곳 선교장이다.

상사화, 상사몽...옛날의 여류시인 황진이의 심정이 가슴을 울리는 한여름의 여행였다. 소나무숲, 하얀 모래사장...지금도 내 뇌리에 선명하다.

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