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かくてありけり
57 日曜農園から(1)
2015年1月1日
沼田 清 沼田 清 [ぬまた きよし]

1948年、新潟県生まれ。千葉大学工学部卒業。2008年、通信社写真部を卒業、以後は資料写真セクションで嘱託として古い写真の掘り起こしと点検に従事。勤務の傍ら個人的に災害写真史を調べ、現在は明治三陸津波の写真の解明に努めている。仕事を離れては日曜菜園で気分転換を図っている。
▲ 最後の共同作業を終え、畑の野菜を収穫。ネギ、白菜、キャベツ、大根があれば連日、鍋三昧に。
▲ I農園は東名高速青葉インター近く、鶴見川沿いにある。ハウス掛けしてあるのはホウレンソウなどの葉物野菜で、防寒よりも鳥に食われるのを防ぐためだ。
師走も半ばを過ぎた日曜の午後、私の通う体験農園では仕事納めをし、抱えきれないほどの秋冬野菜を収穫して帰宅した。このI農園に入って丸9年になる。それ以前、単身赴任で大阪へ行っていた2年間は中断したが、通算で約20年間、週末農園をやってきた。
 
始めるきっかけは、3回目の転勤を終えあざみ野のテラスハウスに引っ越したときだった。周囲の空き地に母からもらった新潟の枝豆を播いたところ、随分良くできたことだ。子供時代、母が自宅の畑でかなりの野菜を作り、自給できるというのはいいもんだなあと思ったことも影響している。デスクのころ、多忙を極めた時でもやれたのは、それが良い気分転換になっていたからだ。いまではすっかり私の生活の一部になっている。

という次第で、今年は農園からの報告をときどきやりたいと思う。まずはI農園の紹介を。

 横浜市西北の郊外、田園都市線の市ケ尾駅から徒歩10分、鶴見川右岸沿いに広がる畑地の一画にI農園がある。自宅からは徒歩20分、車なら7〜8分の距離だ(以下のURLで航空写真が見られる)。
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E139.32.24.810N35.32.58.460&ZM=9

1区画は2.5m×12mの短冊状で30屐それが6〜7区画並んで1つの班を構成する。農園を縦に貫く通路を挟んで右半分が土曜班、左半分が日曜班で、それぞれ5班編成。全体で62区画と、それ以外に共有区画がある。門を入ってすぐ左にビニールハウスが建ち、隣接して物置が2棟、資材置き場が1棟。畑の外周には配管を巡らし、数か所に設けられた蛇口から井戸水が出て水やりには困らない。
 
鍬やシャベルはもちろん、小型耕耘機2台、一輪車4台、背負子型の噴霧器2台も備えるなど仕掛けはそろっている。付近一帯は農地で幹線道路から引っ込んでいるので路上駐車してもおとがめがない。ほとんどの人が車で通っている。

 園主のIさん(82歳)の指導で、毎年4月から翌年1月まで野菜作りに取り組む。農法は色々あるが、I農園では堆肥、化成肥料を基にして、農薬も適宜使う。有機・無農薬栽培ではないが、低農薬を心がけている。技のレベルはセミプロ級と自賛している。

個人区画以外に、共有区画を利用したジャガイモや玉ネギなどの作付けもあり、端境期の春を除けば一般的な季節の野菜はほぼ賄えている。品目は小松菜、ホウレンソウ、絹サヤ、ナス、トマト、ミニトマト、キュウリ、ピーマン、オクラ、枝豆、トウモロコシ、モロヘイヤ、冬瓜、キャベツ、ブロッコリー、レタス、インゲン、里芋、ニンジン、大根、カブ、春菊、水菜、白菜、ネギ、青梗菜。無いのは牛蒡、ニンニク、サツマイモくらい。とにかく四人家族の我が家でも食べきれないほどの収穫があり、ご近所や友人にお裾分けして喜ばれている。

2014年の会費は4万円だった。月割りで3,300円、それに見合うだけのものがあると私は評価している。量もさることながら、やはり品質の良さと、安心して食べられることがうれしい。

基本的に農作業は週1回、約2時間。短冊状のタテの区画にヨコ串を刺すように畝が何本も作られ、同じ畝には全員が同じものを作付けする。こうすることで共同作業が可能となり、作業の効率が上がり、資材も無駄がない。収穫は銘々の区画でやるわけだ。
 
共同作業のありがたさは、慶弔事や旅行などでお休みしても、カバーしてもらえることだ。お互い様である。もう一つ良いことは、ベテランと一緒にやるので初心者でも同等の収穫が得られることだろう。
 市民農園を個人で借りて野菜作りに挑戦しても、大半の人が挫折するのを何度も見てきたので、共同作業方式の安定感は素晴らしいと思う。

会員は還暦以降の世代が大部分で、80歳を過ぎた人も数人いて、平均年齢は古稀に近いだろうか。66歳の私は若い方である。男性だけでなく主婦や、中にはご夫婦で来ている人もいる。それぞれの体力、腕力に応じて役割分担する。週一回ペースで土を耕し、汗をかき、作物の成長を見守り、収穫を手にするのは楽しい。リピーターが多い所以である。

年末、今期の作業は完了、後は1月いっぱいで各自の区画の収穫を終えればよい。2月半ばの契約日までは実質お休みである。
 
同じ班のメンバーに初めての忘年会を提案した。出張の入った1人を除いて7人が中華レストランに集い3000円会費のランチョンを楽しんだ。話が弾み、男性軍は甕出し紹興酒をお代わりし1人2500円の酒代を上積みする羽目になった。でも皆さんが喜んでくれて、誰云うとなく「次回は夏に暑気払いをやりましょう」となった。人のつながりができることも体験農園の良さである。
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