1989年創立 個の出会いと交流の場 研究会インフォネット
HOME 研究会インフォネットとは 会員規約 お問い合わせ
会員専用ページ
過去のINFONET REPORT カレンダー 会員連載エッセイ なんでも掲示板
会員紹介 財務報告
会員連載エッセイ
最近の記事 以前の記事
葉山日記
34 年賀状考
2004年1月1日
中山 俊明 中山 俊明 [なかやま としあき]

1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。

ニックネームはTOSHI、またはiPhone-G(爺)
▲ 初詣での人の列。お参りの人数がことしは例年よりずっと多いような。これも困ったときの神頼み、というやつでしょうか。(葉山・森戸神社で)
昨年もおしつまった頃、トラブルが発生した。自宅コンピューターのなかに年賀状ソフトが見つからないのある。これには2001年以来やりとりした我が家の年賀状の履歴・差出人住所がすべて含まれている。慌てまくった挙句やっと思い出した。息子にプレゼントした古いPCにこのファイルを保存していたのだ。息子はとうぜんながら消去してしまっている。

不幸中の幸いだったが、かろうじて2000年までの記録はある。それ以降追加したものは、昨年のハガキの束から書き移していくほかない。デジタルの怖いところだ。おかげで予期しない年末作業がひとつ増えた。加えて大みそか深夜までに仕上げねばならない企画書がひとつある。研究会インフォネット新年用エッセイも年がわりと同時にアップしたい。1年前の暮れから新年は、研究会のウェブサイトのスタートアップでばたばたしたが、またあわただしい歳の瀬になってしまった。

大みそかの夜。おせち料理の準備を終えた妻が、コーヒーを持ってとんとんと2階の僕の仕事部屋にあがってきた。頭混乱状態の僕の横で勝手におしゃべりをはじめた。
「あなたたしか若い頃、オレは太く短く生きたい、と言ってたわよねえ」
そんなこと言ったかなあ。若気の至りでそんな考えをしていたかも知れない。

「太く生きてないからね。せいぜい長く生きるしかないさ」
僕の答に妻が笑い転げる。そう、こんな風に家族と笑いあえる時間がいちばん大切。なにも無理して太く生きる必要はない。そういえばかく言う妻も若い頃はとてもひ弱で、「私は自分の母親が死んだ年齢(48歳)までは生きられないのではないか」と話していたっけ。すでにその母親の歳を9歳オーバーし、なおかつバイタリティーにあふれ、コマネズミのごとく動きまわっている。

とはいえ笑っていられる場合ではない。2003年最後に残った仕事、エッセイの書き出しの最初の一行が出てこない。うんうん唸っているうちにいつの間にか、新年に突入してしまったところでふと考えた。新年にいくら決意表明したところで、これまで実現できたためしはないのである。ならばことしは淡々と行こう。ものごとはなるようにしかならない。気楽に行こう、と考えたとたんにワッと睡魔が襲ってきて寝てしまった。いい加減で意思の弱きことかくのごとし、である。

明けて新年。年賀状の到着である。ここ数年の特徴は賀状ソフトによるワープロの宛名書きが増えたことだろう。手元に積まれた年賀状のおよそ9割がワープロ打ちだ。宛名書きの時間が短縮された分、文面に時間をかけられそうなものだが、これも手抜きが目立つ。宛名も文面もプリンター打ち出し。そのまま投函、という賀状がとても増えた。

僕は少なくとも数行の手書きコメントを必ずつけるようにしているので、手抜き賀状を手にするととても腹が立つ。こういう形式だけのおざなり年賀状なら出さない方がまだましではないかと思う。しかしながらいただいた以上、返事を差し上げるのもこれまた当然の礼儀。こうするとまた来年手抜き賀状がやってくることになるのだが。かくして形式的な賀状のやり取りが永遠に繰り返されることになる。

むかし勤務した会社の尊敬する大先輩から昨年、「来年からは新年のご挨拶をとりやめるので、ご容赦」という賀状をいただいた。世間には不義理をすることになっても悠々自適、気ままに生きていくので世間とのしがらみを絶つ、という決意表明であろう。現役時代から出世や地位に綿々としない人物であったが、まこと生き方が爽やかである。

本当にお世話になった方にこそ年賀状は出したい。「返信ご無用に願います」との一行を添えて、彼には今年もわが夫婦写真入りの年賀状をあえて出した。
最近の記事 ページトップへ 以前の記事
ボーダーを越えて
雨宮 和子
かくてありけり
沼田 清
葉山日記
中山 俊明
寄り道まわり道
吉田 美智枝
NEW
僕の偏見紀行
時津 寿之
ぴくせる日記
橋場 恵梨香
縁の下のバイオリン弾き
西村 万里
やもめ日記
シーラ・ジョンソン
徒然.... in California
明子・ミーダー
きょう一日を穏やかに
永島 さくら
ガルテン〜私の庭物語
原田 美佳
バックナンバー一覧
123 富士三昧
122 断捨離(2)
121 断捨離(1)
120 喪中につき
119 いろいろあった2014年
118 年賀状考
117 新年号準備中
116 あの日の朝
115 心に響いたことば
114 僕の海
113 ウィンドサーフィン
112 無心の境地で
111
110 64歳のスタート
109 妻との会話
108 坂の上の雲
107 「変人たち」の一瞬
106 歯みがきチューブ
105 宣告(下)
104 宣告(上)
103 とんがりコーン
102 グローバル戦略(1)
101 大臣辞任
100 なにはともあれ
99 ガラガラポン
98 野球とハリケーン
97 ある土曜日の記録
96 続・決定的瞬間
95 鳩時計(下)
94 鳩時計 (上)
93 決定的瞬間
92 HANG IN THERE
91 残すか、捨てるか
90 同窓生
89 去りゆく夏
88 東京タワー
87 立ち位置
86 エッセイ再開
85
84 侮るなかれ、恐れるなかれ
83 整理
82 孤独
81 写真家
80 鬼怒川温泉
79 夢物語
78 SOMETHING
77 還暦
76 花盗人
75 ホリエモン(下)
74 ホリエモン(中)
73 ホリエモン(上)
72 フィルムが消える日
71 新年読書三昧
70 下請け
69 蝉しぐれ
68 インターネット時代のジャーナリズム(2)
67 インターネット時代のジャーナリズム(1)
66 海坂
65 刺客
64 麻酔
63 偶然
62 六本木の病院
61 波乱万丈
60 シ・ア・ワ・セ
59 「老害」を打破せよ
58 「ライブドア」対「楽天」
57 ブログってなに?
56 ブログ戦争
55
54 不思議な「装置」
53 釈明不要
52 皇族の自己責任
51 皇太子発言
50 異常のなかの日常
49 ロバート・キャパ
48 コンテンツ(最終回)
47 コンテンツ(9)
46 コンテンツ(8)
45 コンテンツ(7)
44 コンテンツ(6)
43 コンテンツ(5)
42 コンテンツ(4)
41 コンテンツ(3)
40 コンテンツ(2)
39 コンテンツ(1)
38 下戸
37 野狐禅
36 続々・年賀状考
35 続・年賀状考
34 年賀状考
33 思考スパイラル
32 龍志の遺稿
31 冷たい風
30 先延ばし
29 「有栖川宮」
28 窮鼠、猫をかむ
27
26 リタイアメント
25 続・大胆予測
24 大胆予測
23 執筆方針やや転換
22 バングラデシュ
21 すりかえの論理
20 囚人のジレンマ
19 野合
18 便所の落書き
17 バナナとタマゴ
16 日本の景気は回復する
15 土地について考える
14 ドメイン −5
13 ドメイン −4
12 ドメイン −3
11 ドメイン −2
10 ドメイン −1
9 「19%」の意味
8 僕らの世代(2)
7 僕らの世代(1)
6 ど忘れ
5 スペースシャトル
4 80年代初頭の写真
3 ハンバーガー
2 ゆでガエル
1 止揚
ページトップへ
Copyright(C) FORUM INFONET, All rights reserved. Copyright(C) FORUM INFONET, All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラスト等、全てのコンテンツの無断転載・複写を禁じます。
0 7 7 9 1 4 2 4
昨日の訪問者数0 5 8 7 1 本日の現在までの訪問者数0 1 6 8 9