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寄り道まわり道
74 江陵に咲いた花 申師任堂1
2017年4月4日
吉田 美智枝 吉田 美智枝 [よしだ みちえ]

福岡県生まれ、横浜市在住。夫の仕事の関係で韓国ソウルとタイのバンコクで過ごした。韓国系の通信社でアシスタント、翻訳、衆議院・参議院で秘書、韓国文化院勤務などを経て現在に至る。自作のアクセサリーをBeads Duoというブランドで販売しながら、韓国の主に女性たちについてエッセーを執筆中。『朝鮮王朝の衣装と装身具』(共著)、韓国近代文学選などの翻訳がある。
▲ チンダルレ(朝鮮ツツジ)は花だけが先に咲き、花が終わると葉が出てくる。
チャムコッ(真の花)といわれる由縁は、食用にできるからとか。ちなみに躑躅(つつじ)は食用にできないことから、韓国ではケコッ(偽の花)とも呼ばれるそうである。

진달래는 꽃만 먼저 피고, 꽃이 지면 잎이 나온다. 참꽃일 불리는 연유는 식용으로 가능하기 때문이라던가. 덧붙여서 말하면 천쭉은 식용이 될 수 앖기 때문에 한국에서 개꽃(가짜 꽃)이라고도 한다.
▲ 冬には流れる滝が凍って氷柱となる大関嶺。2018年冬季オリンピックが開催される平昌と江陵の堺にある峠で韓国のアルプスといわれる。
Phto by JeongGyu Gim, Gangnung Korea

겨울에는 흐르는 폭포가 얼어서 고드름이 되는 대관령.
2018년 동계올림픽이 개최되는 평창과 강를의 경계인 고개로 한국의 알프스라고 불려진다.
사진 제공’ 한국 강릉 김정규
▲ 申師任堂の草蟲図のひとつ
신사임당의 초충도(草蟲図)의 한폭
春の花の凛とした美しさは、長く厳しい寒さを耐えた後の喜びを表現しているのだろうか。

ケナリ(れんぎょう)とともに韓国に最初に春を告げるのは、チンダルレ(朝鮮ツツジ)である。チンダルレはチャムコッ(本当の花)ともいわれる。

鉄錆色の殺風景な山肌がピンク色にうっすらと染まる風景…それが20代初めに私が目にし脳裡に刻まれた韓国の原風景である。

韓国ドラマ「サイムダン〜色の日記〜」が日本でも韓国とほぼ同時に放送され、昨年の旅がよみがえる。

申師任堂(シン・サイムダン)とはどんな女性だったのだろう。昨年の夏の暑い盛りに、韓国江原道江陵(カンヌン)にある彼女が生まれ暮らした烏竹軒(オジュッコン)を歩きながら、陽炎のような彼女のイメージを追い求めていた。

本名は申仁善(シン・ニンソン)、師任堂は号である。山水と草虫図を好んで描いた朝鮮時代の天才画家で詩人、書家である。偉大な儒学者である栗谷・李珥(ユルゴク・イイ:イイは号)を産み育て、子弟教育に熱心な良妻賢母、女の鑑といわれている。

これまで、妓女ファンジニや詩人の許蘭雪軒のように小説化されたことがないのは、そのあまりに立派なイメージばかりが先行したためであろうか。私自身、正直なところ彼女に共感を抱くことができなかった。

彼女の実像を知る術はなく、松の香り高い江陵の地を旅しながら私は、師任堂が故郷の自然に深く影響を受け豊かな感性を身につけ、嫁ぎ先のあるソウル(漢陽)に住むようになってからも故郷江陵を思い絵に描いただろうことは想像に固くない。

師任堂は、4男3女をもうけ38歳まで江陵の生家で暮らした。母親の助けがあったとはいえ、繁雑な家事雑事に追われる暮らしのなかで描くことを諦めなかった理由は何だったのだろう。体は疲れ果てても寝る時間を惜しみ絵に向かうときこそが心の平安を得、自分自身を取り戻すことができたのではなかろうか。

師任堂がソウルの嫁ぎ先に発つときに詠んだ”踰大關嶺望親庭詩 ”「大関嶺を越え故郷の家を望む」という詩が残されている。

慈親鶴髮在臨瀛 年老いた母を故郷において
身向長安獨去情 ひとりソウルに発つこの心
回首北坪時一望 ふり返ればはるかに遠く
白雲飛下暮山 白雲だけが暮れゆく山を降りていくーー

大関嶺は江陵の西、太白山脈山中にあり、韓国のアルプスといわれる峠である。私が旅した夏、濃い霧が行くてを覆い近より難さと威厳を見せた高峰「大関嶺」は、冬には凍てつく壁となって師任堂の前に立ちはだかったことだろう。

烏竹軒に残る、彼女の手による手芸品の数々と、草虫図や葡萄図などの絵は、故郷に残してきた母親を思いながらソウルで一針一針に丹精込めた、女性としての普遍性を生きた彼女の姿であり、身の回りの小さなものを愛し描きつづけた画家、師任堂の姿を彷彿とさせた。

目を閉じるとそこには、一瞬一瞬を真摯に逞しく生き才能を開花させたチャムコッ(真の花)師任堂の姿が見えてくる。わずかに芽吹きはじめた枝を、春風にしなやかに揺らす柳の木とともに…。

강릉에 핀 꽃
-- 사임당 --

봄꽃의 늠름한 아름다움이 길고 긴 엄동설한을 견디낸 후의 기쁨을 나타내고 있는 것일까?

개나리와 함께 한국에서 먼저 봄을 알리는 것이 진달래이다. 진달래는 참꽃으로도 부르기도 한다.

살풍경한 철장색 산자락이 분홍색으로 은은하게 물드는 풍경...그것이 20대 초반에 내가 실제로 보고뇌리에 각인된 한국의 원래 풍경이다

한국드라마 ”사임당 빛의 일기”가 한국과 거의동시에 일본에서도 방송되어 작년의 여행추억이 떠오른다.

신사임당(申師任堂)은 어떤 여성이었을까?
더위가 절정이던 작년여름에, 한국강원도 강릉에있는 그녀가 태어나 생활한 오죽헌(烏竹軒)을 돌아보면서, 나는 아지랑이같은 사임당의 이미지를 쫓고 있었다.

본명은 신인선(申仁善), 사임당은 호(号)이다. 산수와 초충도(草虫圖)를 즐겨 그린 조선시대의 천재화가이자 시인, 서예가이다. 위대한 유학자(儒学者) 율곡 이이 (栗谷 李珥)를 낳아 키우고, 열심히 자제교육에 혈을 기울인 형모양처, 여성의 귀감으로 전해지고 있다.

이제까지 기생 황진(黄真伊)이나 시인 허난설헌(許蘭雪軒)같이 소설화된 적이 없는것은, 그의 너무나 훌륭한 이미지만이 앞섰기 때문였을까? 솔직히 나자신 그동안 그녀에게 공감을 느끼지 못했다.

그녀의 실상을 알 도리는 없으나, 솔 향기짙은 강릉땅을 여행하면서나는, 사임당의 고향의 자연에 깊히 영향을 받아 풍부한 감성을 몸에 지녀, 서울시택에 살면서도 고향강릉을 그리워하며, 그림으로 그렸을 것은 쉽게 상상이 되었다.

사임당은 4남3녀를 두고 38때까지 강릉의 생가에서 지냈다. 어머님의 도움이 있었다 해도, 번잡한 집안일로 힘든 삶 가운데 그림을 그리는 것을 체념하지 않았던 이유는 무엇이었을까? 몸은 피로에 지쳐도 잠자는 시간을 아껴 그림에 전념할때야말로 마음의 평안을 얻게된 것이 않는가 한다.

사임당이 서울의 시택에 떠날때 읊은 ‟유대관령망친정시(踰大關嶺望親庭詩)” ー 대관령 넘어 고향의 집을 그리워하다 ー 가 남아있다.

慈親鶴髮在臨瀛 자친학발재림영
身向長安獨去情 신향장안독거정
回首北坪時一望 회수북평시일망
白雲飛下暮山 백운비하모산청

늙으신 어머니를 강릉에 두고
외로이 서울길로 떠나는 이마음
때때로 고개돌려 북평쪽 바라보니
흰구름 아래로 저녁산이 푸르구나.

대관령은 강릉의 서쪽, 태백산맥속에 있고, 한국의 알프스라고 불려지는 고개이다. 내가 여행했던 여름, 짙은 안개로 앞길을 가려 친근함보다 위엄을 보였던 고봉(高峰)”대관령”은 겨울엔 얼어붙어 넘어가기 어려운 벽이 되어사임당 앞에 버티고 섰던 것이겠지.

오죽헌에 남겨진 사임당이 만든 수예품과 초충도(草虫圖)랑 포도도(葡萄図)등의 그림은 고향에 남겨 두고 온 어머님을 사모하면서 한땀 바느질에 정성을 담은, 여성으로써의 보편성을 살린 그녀의 모습이며, 신변의 작은 사물을 사랑하며 끊임없이 그렸던 화가, 사임당의 모습이 눈에 선하게 보였다.

눈을 감면 그 곳에는, 한순간 한순간을 진지하고 늠름하게 살며, 재능을 꽃피운 참꽃(真の花), 사임당의 모습이 보인다. 간신히 움트기 시작한 가자를 희봄바람에 유연하게 흔들리는 수양버들과 함께 ...
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