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88 五山の送り火クイズ
2008年1月5日
齋藤 恵 齋藤 恵 [さいとう・さとし]

1948年埼玉県生まれ、1970年に大学卒業後、時計メーカーの輸出部門に就職。8年間の勤務の後、宮仕えには向かない自身の性格を認識して、父の経営していた小売店 (創業1912年 = 大正元年)に転身しました。歴史、風土、絵画、言語等に関心が強く、駄文ながら文章を書くことがストレス発散の手段のひとつになっています。ささやかながら、会社を経営するというのはそれなりにたいへんです。ここに書かせていただくことは、そうしたストレスの大いなる発散のためですので、お読みになる方もどうぞお気軽に。
五山の送り火クイズ


長年、京都とご縁を持って来ましたが、あそこは私などには、働いてお金を稼ぐ場所としては極めて難しい地域だと思えます。お金を持って、カモになるために遊びに行くのにはまことによいのですが・・・。

ところで、白い送り火をご紹介したついでに、この「大文字焼き」としても知られている、「五山の送り火」の基礎知識をチェックしてみませんか? 上のマップは、送り火の場所をおおまかに示しています。

それではご希望の方だけ、以下のクイズに挑戦ください。 クイズは <Yes> or <No> の2択方式です。 解答と解説はクイズのいちばんあとに。

1) 送り火が行われる日は、毎年決まっているわけではなく、旧暦をベースにするので、年によって何日かずれることがある。

2) 五山と言うから、送り火は5ヶ所で、5つである。

3) すべての送り火は、午後8時に一斉に点火される。

4) それぞれの送り火は、文字の場合、筆順にしたがって点火される。

5) 送り火を準備し、実際に実行するのは、京都市が組織した実行委員会とそこに集まるボランティアである。したがって、基本的な費用は京都市が、観光事業振興のために負担する。

6) 送り火の起源は平安時代、創始者は空海である。

7) 送り火の火床(ひどこと呼ぶのだそうです)を置いてある距離は、どの辺も一辺の距離は、すべて100メートル以内である。

8) 各火床は、地面に薪を積み上げて作る。

9) 積み上げる薪の高さは、約2メートルである。

10) 火床の数は、各送り火とも100以上である。

11) いちばん有名な <大> の文字は3ヶ所にある。

12) 楽しんで見られる時間は、点火後約1時間である。

13) 多くの見物人は、ふつうあちらこちらに移動しながら、5ヶ所全部の送り火を見て回る。

14) この送り火は国の無形文化財に指定されている。

15) 点火は、無線をはじめ、各種ハイテク機器を駆使して整然と行われる。

16) 京都の街のほぼ中心とも言うべき、四条河原町あたりからは、五山すべての送り火が見渡せる。

以上です。

さあ、正解ですが、実はすべて <No> なのです。理由と解説は次の通りです。(なんとひねくれた出題形式だとお感じになられることと存じますが、このくらいのひねりは京都人のひねりに比べたら、まだまだ序の口ですよ。)

1) 送り火は、毎年8月16日と決まっています。

2) 五山とは、東山如意ヶ嶽(大)、松ヶ崎西山(妙)・東山(法)、西加茂船山(船形)、大北山(左大文字)、嵯峨仙翁寺山(鳥居形)のことを言いますが、松ヶ崎西山と東山にそれぞれ妙と法があるので、送り火としては5つではなくて、6つです。

3) 点火は、東山大文字が8時に始まり、次々に北から西へと点火されていきます。一番遅い鳥居形の点火が8時20分です。

4) 各送り火の点火は、すべての火床が一斉に点火されます。筆順ではありません。

5) 各送り火の準備、実行は、それぞれの保存会によってすべて行われます。一部ボランティアが応援に入ることはありますが、基本的にはすべてこの保存会によって行われています。もっとも多い松ヶ崎で81戸の家族、もっとも少ない鳥居形で36戸です。その家族が一定の数の火床を責任分担で準備し、点火し、面倒を見るわけです。お金は京都市からも、他の団体からも、まったく出ません。仏教の宗教行事として扱われているわけです。実際にやっておられる人にお会いしたことがありますが、けっこう負担が大きいとおっしゃっていました。でも名誉なことなので、これからもぜひ続けるとも、おっしゃっていました。

6) 平安、室町、江戸と諸説がありますが、室町中期説がもっとも信憑性が高いようです。少なくとも空海は関係ありません。

7) 火床の距離は、もっとも長い東山大文字の左の一辺で160メートルあります。見かけよりはずっと大規模なのです。

8) いずれも地面から薪を井桁に組み上げるのですが、いずれも地面に直置きではありません。大谷石、鉄、コンクリート等の受け皿を地面に立てて、その上に薪を積み上げています。それぞれの山の斜面の具合、土質等に合わせて工夫されているようです。

9) 積み上げる薪の高さは、もっとも高い東山の大文字で、約1.3メートル。もっとも低い法で80センチメートルくらいです。

10) 火床の数は次の通りです。

    東山大       75
    妙        103
    法         63
    左大        53
    船形        79
    鳥居形      108

11) <大> は、東山と、左大文字の2ヶ所です。

12) 送り火を楽しめる時間は、それぞれの点火後20分から最大限30分までです。本当に瞬間のパフォーマンスです。

13) 六つの送り火を、一時に全部見るのはかなり難しいと思います。8時に東山から始まり、一番最後の鳥居形が燃え尽きるのが9時頃ですから、交通の渋滞を考えると、全部見て回るのはほとんど不可能だと思います。

14) 京都市は、1983年(昭和58年)に京都市登録無形民俗文化財に指定しましたが、それだけです。国は関係ありません。

15) 点火方法は、無線など使わず、昔からの方法で、あかりを下で振り回して一斉に点火するのだそうです。京都の伝統は、そんなにヤワではないようですね。

16) 四条河原町からは試してみませんでしたから、断定はできませんが、まず何も見えないと思います。よく見えるベスト・スポットをご案内します。

   東山大     鴨川堤防、出町柳付近
   妙       北山通り、ノートルダム女学院付近
   法       高野川、高野橋付近
   左大      西大路 北野白梅町付近
   船形      北山通り、北山橋付近
   鳥居形     嵯峨、広沢の池付近

これは、私たちが身を以て体験したことと、地元の通の方に聞いたことの成果です。よろしければぜひご利用ください。 しかし、夏の京都は暑いですよ。



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