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2004年4月19日
中山 俊明 中山 俊明 [なかやま としあき]

1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。

ニックネームはTOSHI、またはiPhone-G(爺)
中核商品=コンテンツをもたないキャリア(電話事業者)が考えだした超ヒットサービス。それがDOCOMOなど携帯電話の着信サービスだ。

着メロなどのコンテンツそのものは、社外のサプライヤーが用意して自前のサーバーにのせる。このサーバーと携帯電話の中継基地サーバーをつなぐ。携帯ユーザーは自分の携帯からキャリアの中継基地を経由して、好きなコンテンツに知らず知らずアクセス。キャリアがコンテンツを握った―まさに逆転の発想である。

ユーザーがダウンロードするコンテンツ代は、キャリアが電話料金と合算してユーザーに請求する。コンテンツ料から一定%を引いた額をキャリアはコンテンツサプライヤーに支払う。

キャリアサイドはコンテンツ開発、制作にかかる莫大な費用負担、リスク負担いっさいなしで、コンテンツの売れ行きに比例した手数料が入る。そしてここがポイントなのだが、優良コンテンツが増えれば増えるほど本業の電話使用料も比例して増える。コンテンツ取り扱い手数料は、実は大きくなくてもいい。

コンテンツサプライヤ―からみると、コンテンツを用意するだけで、配送、集金はすべてキャリアがやってくれる。しかもキャリアが徴収するコンテンツ売り上げ手数料は約10%だから、売り上げの90%がコンテンツサプライヤーの懐に流れ込む。

月200円の着信サービスも1万件の契約があれば200万円、10万件なら2000万円。ユーザーにとってはとるに足りない少額でも、チリも積もればヤマとなる、こんなにありがたい商売はない。異業種のアライアンスビジネスでこれほどうまみのあるビジネスモデルの誕生は近年珍しいのでないか。

電話事業は着信サービスの誕生によって、コンテンツをもたない単なる情報運搬事業の位置から、うまみの大きい、コンテンツ→配送→集金の一気通貫ビジネスに変身した。コンテンツサプライヤーはキャリアとは別事業体ではあるが、あくまで全事業の支配権はキャリアにある。なぜならサプライヤーは自社コンテンツをキャリアの公式サイトに認定してもらうため、日夜よりよいコンテンツ作りに精をださねばならないし、コンテンツ売込みのためにはキャリアに頭を下げねばならない。売れなくなれば公式認定をすぐ外される。

ご存知の通り、ヤフ―は「検索サービス」という「コンテンツ」で急成長した会社だが、いまYAHOO−BBというADSL回線事業で、既存電話事業者と熾烈な戦いを演じている。こちらはまずコンテンツでスタートしたが、ユーザーに直結する「通信=道路」を既存巨大キャリアにたよらず自前で独占したい、という野望に目覚めたわけだ。

この他、電力会社や有線放送が光ケーブルによるプロバイダー事業にも進出中。前者は回線業者→コンテンツ事業、後者はコンテンツ事業→回線事業、とややこしい。

いずれにしても、「コンテンツ→流通→集金一気通貫体制の確立」、これが21世紀のコンテンツビジネスを制覇するためのキーワードであることはまちがいがない。
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