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かくてありけり
59 日曜農園から(3) 会計担当
2015年8月11日
沼田 清 沼田 清 [ぬまた きよし]

1948年、新潟県生まれ。千葉大学工学部卒業。2008年、通信社写真部を卒業、以後は資料写真セクションで嘱託として古い写真の掘り起こしと点検に従事。勤務の傍ら個人的に災害写真史を調べ、現在は明治三陸津波の写真の解明に努めている。仕事を離れては日曜菜園で気分転換を図っている。
▲ 「麗夏」という名の通り、夏そのものを体現したトマト。トマトは1段目より2段目、3段目の方がよりおいしいと思う。素人で6段実らせたら立派。わが農園は8段くらいまで。
▲ 2月末に植えたジャガイモが収穫を迎えた。一人当たり40キロ余りの分配となった。種イモの25倍の量の収穫となった。
▲ 収穫目前でハクビシンに食われてしまったトウモロコシ。丹精込めてこの結果にはがっくりですね。
昨年春、農園の運営形態が、I園主さんの丸抱えから、利用者の自主管理に切り替わった。園主さんは数年前から「80過ぎるとしんどいので、そろそろ閉めようかと思います」と漏らすようになっていた。篤農家で律儀な方なので、常にプロ並みの出来をと指導して来られたが、進歩のない弟子どもに疲れたのだろう。
しかし大半の会員が農園の継続を望み、可能なら自主運営で続けようとなり、園主さんにお願いした。その結果、畑地はこれまで通り使わせてもらい、資材や農具・機械の便宜供与も変わらず。変わったのは契約形態だ。年間会費から半額と少しを園主さんに借地料として払い、残額で運営費を賄う。苗や肥料の手配から作付計画まで運営の実務は自分たちでやる。園主さんにはこれまで同様に技術面の指導をしていただくが、結果責任は利用者がとる。要は園主さんの負担をできるだけ軽減することだ。

自主管理となって、まず運営費の管理に直面した。会計担当を私が仰せつかった。金銭出納帳も付けたことのない素人で不安はあったが、お金の出し入れを正確に記し、費用請求の際、必ず領収書を付けてもらうことを心掛けた。年会費約60万円の現金は手元に置きたくないので新たに銀行口座を作り、入金。1年目、試行錯誤もしたが、2回の会計報告は無事終了。赤字にならなかったのはなによりうれしかった。今年も7月下旬、夏休み前の上半期会計報告を終え、ホッとしている。

初体験の会計担当は正直言って七面倒くさいものであったが、やってよかったと思えることが一つある。それは農園運営の費用概要を把握できたことである。
金銭出納帳に記された出費の明細。その内容を種苗代、肥料代、農薬代、資材代、その他−として項目別にまとめると、何に費用が掛かるのか見えてくる。
予想外だったのは肥料代の多さであった。種苗代が全体の半分は想定通りだったが、肥料購入代が種苗代の8割相当に達するとは思ってもみなかったことだ。農薬代まで含めると種苗代に近い額になる。現代農業の安定した多収をもたらしたのは実に、肥料と農薬のおかげであると感じた次第だ。

個人で市民菜園を借り日曜菜園を始めた人は、ナスやキュウリが1本の苗でせいぜい15〜20本も採れたらよい方ではないか。我が農園では一桁多く、収穫期間も長い。それを支えているのは施肥をはじめとする管理の適切さであり、それこそプロの技なのだ。

ここ2、3年、「体験農園!」と銘打って近所に複数の貸農園ができている。その広告を見てびっくりしたのは、会費の高さである。区画の広さを換算して比較すると、2倍、3倍どころではない、我が農園とは10倍近い開きがある。これを裏返せば、我が園主さんは体験農園を経営しても、さほど儲かっていたわけではないと思える。
指導や畑の管理に費やす時間、心労などまで考えたらむしろ持ち出しだったのではないか。一種の社会奉仕としてやってくださっていたのではないかと想像できる。
自分たちでやって初めて分かったことで、私の会計報告に会員の皆さんも認識を新たにしてくれたようだ。

前回以後の農園の状況は以下の通り。レポートの間が空いたので、前段が無くいきなり結果を示すことになったが、ご容赦を。

5月下旬
 キュウリ(4月19日定植)、ナス(4月19日定植)の収穫が始まる。キュウリは隔日に収穫しないと、たちまちヘチマのように大きく育ち、本数も多い。ヘタのところを6センチ、尻尾部分を3センチは切り落として、食感の良いところだけを使うのだが、それでも食べきれない。会員の間ではこの状況を「キュウリ地獄」とか「キュウリ責め」と呼ぶ人も。苗は一人当たり4本植えるところを、私は1本減らして3本にしてもらったのだが、量の多さにアップアップとなる。収穫は7月中旬すぎに終了した。
ナスは水やりと整枝を怠らなければ10月いっぱいまで楽しめる。

6月初旬
 ツルナシインゲン(4月12日播種)の収穫始まる。7月中旬まで重宝した。
 キャベツ(4月12日定植)、サニーレタス(4月12日定植)の収穫始まる、7月初めまで。
共同区画のジャガイモ(キタアカリ、2月下旬に定植)と玉ねぎ(昨年11月16日定植)をどちらも2回に分けて収穫。合計でそれぞれ一人40キロの分配。これだけの量はとても家に置けない。ご近所や友人に配らないと、家が納屋状態になってしまう。豊作はうれしい悲鳴につながる。

6月中旬
 トマト(4月19日定植)が採れ始め、週2回で計40個ほど持ち帰る。日曜菜園の収穫の喜びの最たるものは、夏は完熟トマトだと思う。ご近所におすそ分けして一番評判が良い。冷やして生食、ジュースに、そして野菜カレーにも入れる。9月中旬まで収穫できるが、8月半ばでおいしさのピークは過ぎる。

6月下旬 ピーマン、パプリカの収穫始まる。10月いっぱいは大丈夫だろう。

7月初旬 トウモロコシ(4月12日播種)の収穫。1週間で順次採り終えた。隣の林に接した端の区画では、せっかくの稔りがハクビシンに食われ、無残であった。
 枝豆(5月初め播種)を収穫。枝豆は当日中に食べないとおいしくないので、欠席者には分配しない。

8月初旬 夏場に苦労するのは葉物が少ないことだ。今は共同区画のモロヘイヤくらい。空芯菜をやっている班もある。

8月中旬 夏休み中ではあるが、秋冬野菜の準備が始まる。9日、次週のキャベツ苗の定植に向け畝づくりをした。
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