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季節の移ろい |
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2015年3月15日 |
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 | 明子・ミーダー [AKIKO MIEDER]
東京都小平市出身。5年間のOL生活の後渡米。カリフォルニアのサンディエゴに23年住んだ後、アイドルワイルドという小さな山間の町に引っ越し、現在アメリカ人の夫と猫3匹と田舎生活を楽しんでいます。サンディエゴから2時間の距離の町ですが、標高1800メートルの山の上の生活は、サンディエゴとは全く違います。そんなところでの日々の暮らし、感じたことを綴っていこうと思います。 |
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▲ 鳴き声のうるさい青カケス(Blue jay)
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▲ しっぽがフサフサしたリス(Western gray squirrel) |
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今年は雪が少ないなと思っていたら、3月に入ってすぐに雪が降りました。それまで毎日暖かく、昼間の気温は16〜17℃、薪ストーブも出番がありませんでした。おかげで、今年もまた水不足に悩まされそうです。そんな雪も2日ほど降って、数日後には気温が上がり出しました。3月8日(日曜日)には夏時間になり、日が長くなってすっかり春めいてきました。
春を告げるのが鳥の声。とてもユニークで綺麗な声で鳴く鳥がいますが(残念ながらどんな鳥なのか見たことがありません)、その声を聞くと春になったんだと感じ、心が躍ります。今の山間の家に引っ越してから、それまで聞こえなかった音に気がつくようになりました。それは、街中では聞くことができない音。デッキに出て耳を澄ませていると、いろいろな鳥の声が聞こえてきます。青カケスは綺麗な青い鳥ですが、鳴き声はとてもうるさい。何の変哲もない小鳥が綺麗なさえずりを聞かせてくれる。カラスの声も、日本のカラスとは違って聞こえる。キツツキが木や壁に穴を開ける音は思っていたより大きい、等。鳥だけでなく、家の周りにはたくさんのリスがいますが、リスが鳴くとは知りませんでした。その鳴き声がまた変わっていて、昔あった笑い袋(今でもあるのでしょうか?)のような声で、人を馬鹿にしているようにも聞こえます。(こちらで聞くことができます。かなり聞き取りにくいですが。https://www.youtube.com/watch?v=ht_JUiTavT8)
風の音が心地よいのにも気がつきました。ある時はサワサワ、ある時はザワザワ。川の流れにも似た音。そんな音を聞きながら目を瞑ると気持ちが穏やかになります。また、風鈴といえば夏の風物詩ですが、うちは一年中吊るしてあります。それが冬にはとても物悲しい音だということも知りました。(冬にはしまいなさいということですね。)
南カリフォルニアは一年中温暖な気候で、住みやすいのはいいですが、四季を感じることができないのが残念です。ところが最近、ショッピングモールやスーパーマーケット等のお店のディスプレイで四季を感じることができることに気がつきました。クリスマスの時期は赤や緑で飾られ、その後はバレンタインデーで赤、4月のイースターはピンクや黄色のパステルカラー、7月は独立記念日で、アメリカの国旗の色、赤、青、白、10月はハロウィーンで黒、オレンジ。一つのイベントが終わると、すぐさま次のイベントのカラーにお店のディスプレイが変わります。何もそんなに早くからとも思いますが、大事な商戦なのでしょう。季節の移り変わりを知らせてはくれますが、そんな形で四季感じるのは寂しい気もします…。
そういう意味で、日本はとても恵まれていると思います。四季がはっきりしていて、季節季節の景色があり、色があり、匂いがあり、食がある。まさに、五感で季節を感じることができるのです。日本にいるときには当たり前に思っていましたが、今こうしてはっきりと四季を感じることができないところで暮らしていると、四季があるのが暮らしを豊かにしてくれるのだと強く感じます。
最近、俳句に興味を持つようになりました。俳句には季語があり、一つの季節にたくさんの季語があるのを知りました。季節の一片を17文字で表現する俳句は、とても乙な感じがします。俳句を聞くだけで季節はいつなのかがわかるなんて、四季のある日本ならではでしょう。
自然に囲まれて暮らしている私は、もっと注意を払っていれば小さな季節の移ろいを感じることができるかもしれません。アンテナを張って変化をキャッチすれば、気持ちが豊かになりそうです。
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