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葉山日記
58 「ライブドア」対「楽天」
2004年9月26日
中山 俊明 中山 俊明 [なかやま としあき]

1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。

ニックネームはTOSHI、またはiPhone-G(爺)
▲ 小雨のなかにひっそりと咲くチョウセンアサガオ。花姿はとてもいいのですが年中咲き乱れている。すると飽きる。もし桜が1年中咲いていたら、日本人にこれほど愛される花にはなっていなかったであろう、ということを考えさせる花です。
オリックスと近鉄の合併問題から始まったプロ野球界再編問題は意外な展開をみせ、「ライブドア」対「楽天」対決の様相を呈しはじめた。この先を予測してみると、なんだか楽天に軍配があがりそうな気がしてきた。

楽天・三木谷浩史社長の「おじさんキラー」ぶりが着々とポイントをあげている。悪名高き球界のドン「ナベツネ」さんにも挨拶を済ませているようだし、楽天が設立する新球団にはトヨタ自動車の奥田会長はじめそうそうたる企業経営者を集めた経営諮問委員会をつくる、と発表している。

三木谷さん、これまではたしかヒゲ面、ノーネクタイでマスコミに登場していたはずだが、いつの間にかヒゲが消え、びしっとしたネクタイ姿に変身している。「エスタブリッシュメントの仲間入りをするためには、楽天および経営陣はそれなりの『社会的常識』をもった集団ですよ、という企業イメージをまず浸透させる」というしっかりしたPR戦略をもちあわせているようだ。

いっぽうライブドアの堀江貴文社長、あいかわらずのTシャツ姿だ。「楽天さんは3年連続の赤字会社ですよ、それみなさんご存知なんですか」「先に仙台に名乗りをあげたのはこっちなのになぜいまごろ」といった若さゆえの脇の甘い発言が目立つ。仙台の放送局で三木谷社長の到着を待ちうけ、マスコミのまえで「両社で落としどころを探しましょう」などと軽薄な発言をしてしまうところなど、「やり方がうまくないなあ」といらいらしてしまう。これでは、みずから墓穴を掘るようなもんだ。

その辺の脇の甘さが、共同通信の「チャンネルK」小池編集長に「だまされてはいけない」と批判される原因になったのだろう。そもそも両社ともIT企業とはいえ、楽天の方はサイバー上に商品のデパートを作ったというだけで、事業形態としては「流通業」だ。出店者から場所代をとり、売り上げの一定%をいただく。つまりお客の注文をインターネットで集めるだけで、じっさいに動く商品は「モノ」だから、その事業内容はオジサンたちにもわかりやすい。

かたやライブドアは、会社案内をみてもいったいどこで儲けている会社なのかわかりにくい。でなくてもプロ野球機構というのはがちがちの典型的オジサン集団である。旧世代の人びとがどちらを選択するか、となると「楽天」というのが、ま、自然の流れだろう。

で、僕がどちらを応援しているかというと、実は「ライブドア」なんである。勝敗はかなりはっきり見えている。既成の大組織=エスタブリッシュメントを根回しで着々と固め、しっかりしたマスメディア戦略と事業戦略で周辺を確実にかためていく三木谷さんのやり方は、さすが、一橋大学→興銀→MBAというエリートコースをひた走ってきた人物にふさわしい。

いっぽう堀江さんは、東大ではあるが中退。在学中はコンピューターオタクで、大企業の勤務経験なし。脇があまく、少々おっちょこちょい。小池編集長に以下のようなことを書かれてしまう。

『内容はといえば「トータルワークアウト」(清原選手や千代大海がやっているフィットネスだろう)をやって筋肉がどうなったの、上海に行って何を食ったの、マッサージがどうの、映画や芝居を見てどうだったのだ。』『こういうのが鼻持ちならないというやつだ。読んでいる人たちにはぜひ言いたい。こんなのにだまくらかされていてはいけない!』

http://chk.livedoor.biz/archives/3212621.html

今日の事態を考えると、小池編集長の指摘も的を得ていた、と言えなくもない。

だが、と僕は思う。世の中が変わろうとするとき、または、それまで世のなかになかったビジネスがうまれるとき、その推進役はかならず批判、揶揄、嘲笑の対象になる。ほら吹きと呼ばれ、香具師扱いされる。つまり出ようとする杭はかならず打たれる。いまや安定した大企業へと変貌を遂げつつある、「ソフトバンク」の孫正義社長、「松井証券」の松井道夫社長すべてそう言われた時代があった(いまもそういう評価、陰口はある)。

世間とはそういうもんさ、と意識したうえで、または無意識ながら本能的体質で動いているのが堀江さんではないか、という気がしないでもない。三木谷さんのほうは、優等生で人間としての面白みにかけるきらいがあるように、僕自身は感じる。なんといっても硬直したプロ野球界に改革の最初の一石を投じたのはライブドアだということだけは、きちんと評価されねばならない。

どうしても、堀江さんのほうを応援したくなるのは、早くからインターネットを標榜し、「香具師」扱いを受けたこともある(そしてげんざいもそういう評価があるかもしれない)僕自身のひがみ根性からくるものなのかもしれないが。

「楽天」がもし選択されと、直後おとずれるのが、間違いなく「ライブドア」株の暴落。さあ、堀江さん、これからの険しい道をどう乗り切る。ま、いっかい手ひどい敗北を味わう、それもいいじゃないですか。まだ31歳だもん。このままとんとん順調にいっちゃう人生なんて、おもしろくないよ。


※「ブログ」というテーマで、上、中、下3回で完結するはずでしたが、事態の急展開のためうまくまとまらなくなってしまいました。そこで、「ブログ(上)」を「ブログ戦争」に、ブログ(中)を「ブログってなに?」に、今回(下)となるはずだった最終回のタイトルを『「ライブドア」対「楽天」』とあらためました。今後もこのテーマをめぐって書きます。ご了解ください。
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