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葉山日記
74 ホリエモン(中)
2006年2月24日
中山 俊明 中山 俊明 [なかやま としあき]

1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。

ニックネームはTOSHI、またはiPhone-G(爺)
ライブドア事件。日々、新聞やテレビのトップを飾る派手な展開で、こういうふうに事態がめまぐるしく動く時期に、当のホリエモンこと堀江貴文さんのことを書くのはなかなかむつかしい。かつて彼のことを「日本を変えるかも知れない人物」と書いた自分としては、その落とし前はつけなければいけないのは重々承知。だが前号でも書いたとおり、自分のなかでもこの人物やライブドアのことがいまだよく整理できていないのだ。

とはいえ、わずかひと月とはいえ、ライブドア社員として過ごした時期があるのだし、当の堀江氏から直接「メディア論」を聞いたこともある。支障のない範囲で書きたい思いはやまやまなのだが、いましばし時間をいただきたい。

なんだか不完全燃焼で生きてしまった団塊世代としては、既成の権威に臆さず立ち向かう若者に拍手を送りたいという気持ちがあった一方、彼らが活躍すればするほど、自分の属する世代が幕引きを迫られているのではないか、というさびしさめいたものが同時にあった。正直に書くと、後者の気持ちの部分が、ライブドアの「崩壊」でやや楽になったというところがある。つまりこの辺の複雑な心理がまだ整理できないのだ。

そこで、またまた自分自身のエッセイ引用でお茶を濁す。これは僕がライブドア在勤中、「パブリックジャーナリスト」として「ライブドアニュース」に投稿した原稿だ。


●男の魅力はカネか  【PJニュース 05年03月12日】

本をかたわらに置きながらたずねた。
「キミは男の魅力をカネではかる?」
連れ添って30年いじょうになる妻が予想外のことを口走った。
「当たり前でしょ」
なにをいまさら、というような口ぶりに僕は少々うろたえた。「ま、それも重要な要素ね」程度の言葉を期待していたのだ。
「おいおい、カネはそんなに重要か」
妻は、「今ごろあなたは何を寝ぼけたこと言っているの」とアイロンかけの手を休めることもなく、しゃあしゃあとのたまった。
「お金持ちということはそれなりの実力があるからでしょ。才能がある。力がある。その結果としておカネや人がついてくる。だからおカネのある男は魅力的。おカネそのものじゃなく、それを引き寄せる男は魅力的、ってことよ」
彼女の本心は分かった。だが、ここで疑問が生じる。カネが男の魅力の重要要件なら、妻はなぜ僕を見限って逃げ出さないのだろう。

 以上は楽屋裏話だが、少々気まずい夫婦の会話のきっかけになった本というのは、ライブドア社長、堀江貴文氏の著書「稼ぐが勝ち」(光文社)だ。一気に読んだ。

 ―(以下、同著から一部引用)「人の心は金では買えない」というのも同様です。誤解を恐れずに言えば、人の心はお金で買えるのです。女はお金についてきます。人間はお金を見ると豹変します。豹変する瞬間が面白いのです。皆ゲンキンなものです。金をもっている人間が一番強いのなら、金持ちになればいいということなのです。人間を動かすのはお金です。―

 こうもはっきり言い切るか、とは思うが意外なことに、彼の発言はおおむね「一般大衆」に支持されているようだ。それが証拠に「週刊朝日」(3月18日号)の「団塊世代の男女518人アンケート調査」によれば、「堀江社長の『おカネで買えないものはない』という趣旨の発言に対してどう思いますか」という質問に対し、12.0%が「理解できる」、54.3%が「考え方は理解できるが、発言すべきではない」と答えている。言い換えれば、「堀江さん言うことは分かるが、そういうことは口にださないほうがお利口さんじゃないの」、というのが多数派の考えだといえる。

 たしかにカネの話をあからさまにするのはご法度という風土がこの国にはある。堀江さん、遠慮会釈なく、この日本社会ではタブーの世界にざくっと斬り込んだ。しかし、彼は本当にカネがすべて、と考えているのだろうか。べつに堀江さんの味方をするわけではないが、彼の言いたいことは、むしろ引用文の後段だろう。きちんと文脈をたどれば、もし人間がそういうものであるならば、と人間の本性をクールに、むしろ包容力のある目で認めたうえで、だったらお金をもつ側に回ればいいじゃん、と彼にとってはしごく当たり前のことをそのまま書いているだけなのだ、と僕は思う。

 同著の次の部分はどうだろう。

 ―就職とは、他人のリスクコントロールの支配下に入るということです。要するに自分の運命を他人に支配されるわけです。「自分はばかだから、自分よりもっと頭のいい人に自分のリスクコントロールをしてもらいたい」という人は就職すればいいのだろうし、「自分は他人に運命を左右されるのはいやだ」と思えば、会社をつくればいいのです。―

 一見挑発的な文章だが、これも冷静に読めばけして間違ってはいない。「上司がばかだからやってられない」と酒場で愚痴をいうサラリーマンには、僕ですら「そんなに嫌な会社なら、お辞めになったら」と言うだろう。ま、そういう人物に限って、「私みたいなこれといって手に職がない人間にそんなことができると思いますか。家族はいったいどうなるんですか」と血相変える。この手の人物には、堀江さんと同じように、「じゃ、ばかの下でおとなしくしていなさい」とアドバイスするしかないではないか。(後略)
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