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暑い夏のすごし方 |
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2010年7月22日 |
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 | 吉田 美智枝 [よしだ みちえ]
福岡県生まれ、横浜市に住む。夫の仕事の関係で韓国ソウルとタイのバンコクで過ごした。韓国系の通信社でアシスタント、翻訳、衆議院・参議院で秘書、韓国文化院勤務などを経て現在は気ままな主婦生活を楽しんでいる。著書に『朝鮮王朝の衣装と装身具』(淡交社、共著)『韓国の近代文学』(柏書房、翻訳)などがある。現在、文化交流を目的とした十長生の会を友人たちと運営、活動している。 |
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▲ アクアマリンとスモーキークォーツ(蝶形)のブレスレットとピアス |
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猛暑の日々が始まった。今現在の室温は35.7度。私の体温は低めなので、同じくらいだ。
夏になると、以前に住んでいたタイ・バンコクを思い出す。TVの天気予報の表示が36度から変わることはなく、数字を書き換えるのが面倒でそのままにしているのではなかろうかと、冗談抜きで疑ったことがあったが、そのバンコクの暑さのほうがずっと過ごしやすかった。
アパートだけでなく、どこに行っても強烈に冷房が効いていたし、移動はすべて(玄関先から)車だったから。
『この暑さでは何もする気が起きない。』
この日本の夏、誰もがそういう。私もそうだ。
ベッドから起きて、冷たいシャワーを浴びる。ちょっとだけ気持ちがシャキッとするが、それも5〜10分もすれば、元の木阿弥。汗がじわっとにじみ、そのうち流れてくる。
我が家は一戸建てだが、二世帯住宅で、夫と私の居住スペースは2階にある。リビングは東南に向き、寝室は西にある。朝起きて午前中は、充分に温まったリビングで過ごし、夜はこれまた西日で充分に温まった?寝室で横たわる。なんとも夏にはつらい住居である。(もちろん冬にはこれがありがたいと思うのだが。)
夫は冷房嫌いである。ダラダラと汗が流れ落ちるくらいがいいと言い放つ。また、猫のモモコもそう…。毛皮を着て生活しているとはいっても、体が小さくてすぐに寒くなるのか、暑さでハアハア息をしているのをかわいそうに思い冷房を入れるとどこかへ行ってしまう。カーテンにくるまって冷気を避けているか、風通しはいいが温度は決して低いとはいえないベランダで寝そべっている。
だから、私はエアコンのリモコンになかなか手が伸ばしづらい。うだるような室内で、ただただ暑さに耐えている。
こう書くと、ひたすら自虐的な生活のようだが、不思議にこのところこの暑さが気にならなくなってきた。
一言でいえば、趣味のビーズのおかげである。
『この暑い中、よくそんなめんどくさいことができるなぁ!』 あきれながら夫はつぶやく。
そういわれて思い出す。 『そうだ。今日は暑いんだ。』
暑いには暑いけれど、なにもせずにじっと耐えているほうがずっとつらい。 暑さを忘れるほどなにかに熱中するのが、暑さ克服のよい方法のようだ。
そして暑さを克服できる方法がもうひとつ。小さな保冷剤(デパートやスーパーの食品売り場でもらう、あの保冷剤である)を冷凍し、3,4個ハンカチに並べ、包んで首に巻く。夜寝るときは、大きめの保冷剤をタオルに包んで枕の上に置く。これだけで本当に楽なのだ。是非お試しあれ。首が冷たいだけで、暑さが耐えられるから不思議である。作業は進むし、冷房なしで寝つきもよくなる。
もちろん部屋は適度に風通しがよく、水分補給も忘れてはならない。昨夜か今朝のニュースで、熱中症で亡くなった人がいると報じられていたが、それほどこの夏の暑さは厳しく、あなどれないのも事実のようだ。
夏には頭(首)を冷やし、冷え性の私は冬には足を暖めると快適で、よく眠れる。
余談だが、『タイの人々は寒いと感じると、靴下を履くことはしないで、室内でも毛糸の帽子を被るのよ』と、笑った知人がいたが、『頭寒足熱』ということばはタイにはないらしい。
保冷剤・・・これさえあれば暑い夏でも怖いものなしという私の武器である。料理や洗濯など家事をするときも、アクセサリーを作るときも…。ただ、保冷剤を首に巻いた薄着の私…傍目にはちょっと怖いかな?
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