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徒然.... in California
12 限られた物の中で暮らす
2012年4月14日
明子・ミーダー 明子・ミーダー [AKIKO MIEDER]

東京都小平市出身。5年間のOL生活の後渡米。カリフォルニアのサンディエゴに23年住んだ後、アイドルワイルドという小さな山間の町に引っ越し、現在アメリカ人の夫と猫3匹と田舎生活を楽しんでいます。サンディエゴから2時間の距離の町ですが、標高1800メートルの山の上の生活は、サンディエゴとは全く違います。そんなところでの日々の暮らし、感じたことを綴っていこうと思います。
▲ 山の町の主要ビジネスが並ぶショッピングモール。郵便局、スーパーマーケット2軒、薬局、レンタルビデオ店、美容院、ピザ屋、建設中の新しい図書館等があります。限られてはいますが、一応なんでも揃います。
▲ こちらのマーケットでは、毎週土曜日に、地元で獲れた有機栽培の野菜や果物が外に並び、地元の人で賑わいます。
サンディエゴ市のほぼ中央に、アジア系のお店やビジネスが立ち並ぶ地域があります。中国語、ハングル語、ベトナム語等の看板がいたる所に見られます。私がサンディエゴに住み出した1988年頃には、スーパーマーケットに関していえば、覚えている限りで中国系、韓国系、日系が各一軒ずつ、それぞれ小さな店舗に食料品から雑貨まで所狭しと置いてあるような小規模なものがあるだけでしたが、今はどの店も大きなスーパーマーケットに成長しています。(中国系に関しては、その頃あったお店は閉店し、チェーンの大型スーパーマーケットになっています。)もちろんレストランの数も増え、私たちにとってはいろいろな国の料理を食べることができるようになり、嬉しい限りです。

そんなアジアの店がひしめく中に、日系のお店も増えてきました。スーパーマーケットが3軒、レストラン、レンタルビデオ、本屋、美容院、医療関係、旅行会社、不動産会社等、ひと通りのお店やビジネスが揃っています。もちろん、24年前は数えるほどしか無かったので、便利になったんだな〜と感じながらも、無ければ無いでどうにかなるものも、一旦与えられてしまうと無くてはならないものになってしまうんだと気付きました。

私はもともとご飯よりもパン、和食より洋食を好んでいたので、日本食が恋しくなるということが無く、日系マーケットへもあまり行っていませんでした。日本食のレストランへも行くことがほとんど無く、アメリカ人の主人が不思議に思い、「本当に日本人?」ときかれたくらいです(笑)。逆に私は、バーベキューやオーブン料理等、日本では食べたことの無い料理を作る(バーベキューは主人の担当ですが)ことが楽しく、アメリカでの初めてのクリスマスに主人のおばさんからもらった料理の本を見ながら、いろいろなレシピを試していました。その料理の本はボロボロになってしまいましたが、今も大事に使っています。

スーパーマーケットにしても、アメリカの大きな店内を大きなショッピングカートを押しながら、日本では見たことが無い商品や、日本のものとは桁違いに大きい商品を見ながら買物するのは、遊園地に行った子供のように楽しいものでした。食料品を買いに行くと、一軒だけで一時間くらいは平気で時間を費やしていたものです。たくさん買物をしたというわけではなく、商品を眺める時間が多かっただけです(笑)。

食以外でも、日系のサービスはあまり利用していませんでした。しかし、何度か期待を裏切られたことがあったので、やはり日系のサービスがいいと思うこともありました。美容院や旅行会社等がそうです。

このように、私は日系社会からは遠ざかった生活をしていたので、お店やサービスが少なくても不便だと感じることがありませんでした。知り合った人の中には、「ピザを食べてもご飯を食べる」、「味噌や醤油、洗剤は日本へ行った時に買って来る」という人もいて、「へぇ〜」と思ったものです。

ある時、ご主人の駐在でサンディエゴに住んでいた友人が「今の限られたものの中で暮らすのが心地よい」と言いました。彼女が言った「限られたもの」というのは、日本のものということですが、既にお店やサービスが現在のように増えていたので「こんなに日本のものが揃っているのに、限られたものってどういう意味?」と私は思いました。「日本では、様々な情報が溢れている。選択肢が多すぎる」と言うのです。その頃、私は何年も日本へ帰っていませんでしたし、今ほどインターネットを活用していなかった(ように記憶しています)ので、まさしく浦島花子(浦島太郎の女性版)状態。その後、私も勉強(?)し、友人の言ったことに「なるほど〜」と納得した次第です。

私はずっと、その限られたものの中で暮らしてきたので、それが当たり前となっていて、心地良さなど考えたことがありませんでした。先に書いたように、人によっては食生活は和食のみ、お米はどこどこの◯◯米とこだわる人、洗剤は日本の◯◯でなければ嫌だという人もいるかもしれません。そういう人にとっては、この限られたものの中での生活は不便で楽しくないかもしれません。私のような、山積みにされたタマネギの中から一個選ぶのにも時間がかかるような人間には、限られたものの中での生活が合っているように思います。すなわち、私も心地よく感じていたんだと、友人のひと言で気が付きました。

ここ数年、年と共に(?)和食を好むようになり、日系マーケットへ行くことも多くなりました。日本食のレストランも以前に比べるとバラエティに富み、味のレベルも高くなり、たまに出かけます。本屋さんやビデオ屋さんを利用したり、日系社会にドップリ浸かるほどではありませんが、必要に応じて利用して、心地よく暮らしています。

今はサンディエゴまで車で2時間。限られた日系社会にも遠くなってしまい、ますます限られたものの中で暮らすようになりました。たまに不便だな〜と感じることもありますが、無ければ無いでどうにかなるものです。私にとって、今の最小限のものの中の暮らしが心地よく感じます。その最小限のものの中での生活を、いかに最大限に楽しむかと考えるのも楽しいものです。[注:山間の町ではありますが、山奥の秘境ではありません(笑)。]
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