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葉山日記
101 大臣辞任
2009年2月17日
中山 俊明 中山 俊明 [なかやま としあき]

1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。

ニックネームはTOSHI、またはiPhone-G(爺)
ローマの先進7カ国会議後、ろれつの回らない状態で記者会見した中川昭一財務・金融相が辞任する。あーあ、とため息がでるばかりである。彼もまた2世議員である。この国はいったいどうなっているんだ。

一昨日15日午後、この一件を初めて知ったのは例の「きっこの日記」だった。当日は日曜日だったが仕事があったので、終日パソコンを見ていた。仕事の合間にはひんぱんにニュースサイトをのぞく。正確に調べたわけではないが、新聞・通信社のニュースサイトより、「きっこ」が早かったと思う。続いて夕方「朝日」が掲載したが、他には出なかった。騒ぎ出したのは翌日、月曜から。TVで映像が流れ始めてからだ。

僕が「あーあ」と感じたのは大臣の情けない映像もさることながら、日本のマスコミの反応の鈍さである。現地の記者会見に臨んだ記者たちはなぜただちに記事を書かなかったのか。考えられることはいくつかある。

(1)彼の酒乱ぶりにはつね日ごろ慣れているので、「大臣、今日はちょっとひどいぞ」とは思ったが、大ニュースになる話とは夢にも思わなかった。

(2)あまりにひどく、これは記事だと思ったが、同行の秘書らに「お手柔らかに」と懐柔され、送信をやめた。ここで余計なことを書いてしまうと、その後の自社の取材に支障がでる。

(3)さっそく記事を書いて送ったが、「他社は書くのか。ウチだけが突出して下手なことを書くと、党ににらまれるぞ」と東京のデスクに握り潰された。

(4)一部記者が書こうとしたが、記者クラブ幹事が話し合い、「書かないことで意思統一」した。

すべて憶測ではあるのだが、いちばん怖いのは(1)だ。政治家だけでなく、記者にも一般人としての常識や神経が麻痺しているケースだ。今回同行したのは経済部記者だから、会議原稿をまとめるのに必死で、全体を俯瞰する判断力がにぶったかもしれない。それならローマ常駐特派員の気転が利かなかったのか。「まさに国益を損なうお粗末さだ。政権のゆるみを象徴した事態」(「毎日」社説)と攻め立てるわりには、各社とも初動のお粗末は歴然だ。

今回事態が大きくなったのは「外電」のせいだ。APが「時差で眠いのは理解できなくもないが、トヨタや日産が大減産している時に緊張感がないのでは。エスプレッソでも飲んで眠気を覚ましたら」という皮肉な記事を打電した。各紙もこの記事を引用し、「同行記者団の間にも、戸惑いが広がった」と他人ごとのような記事を出した。

「小泉さんの『笑っちゃう』発言は政局にあまり影響を与えない、とデスクに報告したのですが、デスクは『彼は絵になるからがんがん書け』と発破をかけられまして」というTV記者がいたそうだ。今回は「絵があった」から記事にできたのか。いや書かざるを得なくなったのか。

今回の報道でも、自分の意見は言わず、外国メディアに代弁させ、「団」の意見でぼかす、つまり個々の記者の顔が見えてこない、日本メディアの体質を見たような気がしたのは、僕だけだろうか。目先のことに惑わされず、大局をしっかり見つめた「個」の視点がいまなにより大切だと思う。自重自戒。
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