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僕の偏見紀行
20 上海点描
2005年4月24日
時津 寿之 時津 寿之 [ときつ としゆき]

1945年、九州にて誕生。2010年4月65才で長年勤務したメーカーを定年退職。家族は息子2人が独立し、今は配偶者と二人暮し。趣味は読書、散歩、旅行。読む本は何でもジャンルを問わず、旅先も国内外を問わずどこでも、気の向くところへ。
▲ 活気溢れる上海駅前
▲  上海駅前で大きな荷物を抱えて座っている人たち、どこへ行こうとしているのだろう。
▲  ビルの谷間、路地裏のながめ、懐かしい風景だった。
 上海に着いて空港からリニアモーターカーに乗った。4月18日月曜日のお昼頃だった。何しろ先週末の16日に大規模な反日デモが行われたばかりなので不安だ。

 時速430kのリニアは物凄いスピードで突っ走りあっという間に終点に着いたが、未だ市内まではかなりかかるようだ。

 日本の新幹線ローカル駅に似たリニア駅を出てタクシー乗り場を探す。並んだタクシー目指して人々がばらばらに寄って行く。一応乗り場らしきものはあるが、それぞれにタクシーとなにやら交渉している。あまり順番に行列を作り乗り込む習慣はなさそうだ。さらに市内への運賃が、運転手によって異なり、5〜60元から100元まであった。

 どうも交渉次第のようだ。最新鋭のリニアとは落差を感じる世界だ。何となくちぐはぐな印象であり、この変な感じは滞在した1週間続いた。

 今回は仕事の出張であり、その合間のほんの僅かの時間しか人々の生活を垣間見れなかったが、この奇妙な感じは僕にとって、今の中国であった。勿論、中国という広大な国について、ほんの僅かな期間一部の都市を見ただけで語るつもりは毛頭ないのだが。

 空港のレストランでのことだが、高級そうなスーツに身を固めたキャリアウーマン風の美女が、携帯電話を耳にあてながら食事をしていた。左手で電話を耳に押し当て、右手のフォークでスパゲティを頬張りながら盛んに喋っていた。また、ホテルの高級中華レストランでも人品卑しからぬ老紳士がやはりけたたましい着信音を平然と鳴り響かせていたのも見かけた。

 仕事の合間に乗った地下鉄は常に満員状態で、沢山の人々の活気で溢れていた。様々な人々を見かける地下鉄はどこの国でも楽しいものだが、今回はあまり目立たぬようにドアの近くでおとなしくしていた。

 しかし30分くらい乗っても運賃は僅か3元(約40円)という安さで非常に便利だった。ただ、キップを買うのに言葉が通じず、後ろに待ってる人達の前で冷や汗をかきつつ得意の身振り言語で切り抜けた。ただ窓口のおばさんがおつりを投げるように放り出すのには閉口した。

 デモの後だけに心配したが、仕事上はなんの問題も無かった。昼間ビジネス街を移動するについてもなんの障害も起こらなかった。タクシーも、ホテル前や市内で拾うものは、ちゃんとメーター制で領収書も所定のものがもらえた。

 上海駅前は大きな荷物を抱えた人々でごった返し、この国の持つエネルギーの凄さに圧倒された。荷物を抱えて座り込んでいた人たちは地方から仕事を求めて出てきた人たちだろうか、この国の労働力の豊かさと底知れぬパワーを思った。いろいろあっても、日本はこの国とよく理解しあい、今まで以上にきちんと付き合うことがもはや欠かせないと思う。

 駅前の有料トイレにはちゃんと管理人がいて、1人1元、但し1回20分まで、子供は一緒に入ってよいと表示してあり、その合理性に感心した。

 立ち並ぶ高層ビル、さらに沢山の高層マンションが建設中であり、街中いたるところに建設用クレーンが林立していた。この街には一杯5元の麺がある一方、一杯40元のコーヒーもあった。
さらにドイツ製高級車が走り回る一方、30分乗って3元の地下鉄も満員だった。

 ホテルの部屋から眺めると、高層マンション群の谷間に昔ながらの長屋風アパートが見えた。そこでは朝になるとお年寄りが散歩し、洗濯物を干したかたわらでイスにかける女性を見かけた。ごく普通の少し前の日本によく似た風景がそこにはあった。ビルの谷間の路地裏の眺めが今回は特に懐かしかった。
 

 
 
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60 南会津の旅 弁愡浚村)
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