1989年創立 個の出会いと交流の場 研究会インフォネット
HOME 研究会インフォネットとは 会員規約 お問い合わせ
会員専用ページ
過去のINFONET REPORT カレンダー 会員連載エッセイ なんでも掲示板
会員紹介 財務報告
会員連載エッセイ
最近の記事 以前の記事
きょう一日を穏やかに
4 ペンネーム
2017年2月17日
永島 さくら 永島 さくら [ながしま さくら]

東京で生まれ長野で育ち、現在夫の転勤で新潟で暮らしている。平凡を当たり前に暮らしてきたが、身辺にここ数年さまざまなことが起こり、自分自身の生き方、考え方が変化してきた。きょう一日をふつうに暮らせることの大事さを悟り、ほんの小さななんでもないことにも感謝できるようになった。そんな日々の自分の暮らし、気持ちを伝えていきたい。
「永島さくら」は本名ではない。ペンネームである。

2年前、私はこのサイトで息子のギャンブル依存症について書かせていただいた。当時の私は本名を名乗ることに抵抗があった。
 
その後、私は患者家族の自助グループに通い、「ギャンブル依存症問題を考える会」という団体でも活動を続けてきた。自助グループでは、家族は本名は名乗らない。

同じ問題を持つ仲間と共に悩みを分かち合うことで心も軽くなり以前よりは人生前向きに生きやすくなってきた。「考える会」では本名の名刺を持ち、公共団体や耳を傾けてくださる方々に啓発活動や回復方法の情報提供を行う。具体的には国に提出するギャンブル依存症対策を求める署名を集めたり、説明する冊子、電話相談出来るカードなどを配っている。

今回研究会インフォネットに入会し、エッセイを連載させていただくにあたり、本名を名乗りたいと思った。しかし、私の周りの方々は子供のことを考えペンネームの方がよいのではないかと心配してくれた。

夫は家族の自助グループには行っていない。世間体も気になるし、他のメンバーの話を聴いていると気分が滅入ってくると言う。だが昨年の11月から息子の入所施設の家族会ができ月に1度、一緒に行くようになった。ギャンブラーの息子はまだ回復できない状態にいる。

息子の事件が発覚した時、私は彼のギャンブル依存症のことをだれにも知られたくなかった。一日中、息子のことが心配で頭がおかしくなりそうになった。どうしたらいいか途方に暮れた。初めて自助グループの集まりに行ったときはいわば「同士」の集まりなのにマスクをして行った。

私はとても不安だったが、まず親友に息子のことを話した。次に親類、従姉妹、近しい友人、知人にも話していった。だれも笑ったり、馬鹿にする人はいなかった。皆「大変だったね、よく頑張ったね、きっと回復する」と励ましてくれた。話した人たちはいつも息子や私たち家族のことを気にかけてくれる。

ある知人は、「あなたが話してくれたから私も話す」と言って、自分の家族が別の依存症で大変な目にあっていることを話してくれた。症状は違っても共感できることがたくさんあった。彼女もつらい日々を送っていた。お互いとても心が軽くなった。私は少しずつ息子のことをカミングアウトすることですごく気持ちが楽になった。

しかし私はすべての人に息子のことを話せるようになったわけではない。職場の仲間にはまだ話せない。周辺の家族のなかには親類にさえ隠している人もいれば、テレビに出てカミングアウトしている人もいる。私はなぜ自分が息子のことをもっとフランクに話せないのか考えてみた。それをなんども書いてみようとしたがはっきりとわからない。

いつか息子と私たち夫婦のことを実名で書いてみたい。その日が来るまでしばらくペンネームで書くことを許してください。
最近の記事 ページトップへ 以前の記事
ボーダーを越えて
雨宮 和子
かくてありけり
沼田 清
葉山日記
中山 俊明
寄り道まわり道
吉田 美智枝
NEW
僕の偏見紀行
時津 寿之
老舗の店頭から
齋藤 恵
ぴくせる日記
橋場 恵梨香
縁の下のバイオリン弾き
西村 万里
やもめ日記
シーラ・ジョンソン
徒然.... in California
明子・ミーダー
きょう一日を穏やかに
永島 さくら
ガルテン〜私の庭物語
原田 美佳
バックナンバー一覧
6 真っ暗とブルーの間
5 イネイブリング
4 ペンネーム
3 ギャンブル依存症(3)
2 ギャンブル依存症(2)
1 ギャンブル依存症(1)
ページトップへ
Copyright(C) FORUM INFONET, All rights reserved. Copyright(C) FORUM INFONET, All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラスト等、全てのコンテンツの無断転載・複写を禁じます。
0 7 6 0 6 6 0 1
昨日の訪問者数0 4 4 6 3 本日の現在までの訪問者数0 1 1 3 5