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美しさの追求 |
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2021年1月21日 |
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 | 原田 美佳 [はらだ みか]
東京都出身。学生時代から長年関わった韓国文化院を2015年末に退職。現在は、日本ガルテン協会の広報部長の仕事をしながら、これまで関わってきた韓国文化を日本に紹介するための著作、交流活動を中心に自分のライフワークを模索中である。共著書に『コンパクト韓国』(李御寧監修)、『読んで旅する韓国』(金両基監修)、「朝鮮の王朝の美」、『朝鮮王朝の衣装と装身具』などがある。 |
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▲ 美人図(申潤福画 朝鮮王朝 18世紀)と化粧鏡台 |
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▲ 自然が奏でる美 韓国の化粧文化展のちらし |
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中国の人が日本に来て驚いたことの一つが整形外科の看板があちこちあったことだという。それは、中国で整形といえば、美容整形のことだからだそうで、日本人はこんなにも美容整形に熱心なのか、その上、おばあさんだけではなく、おじいさんまでどんどん病院に入っていくので、さらに驚いたそうだ。話してみれば、笑い話だ。
コロナ禍の日本で業績が伸びたものの一つが美容整形の施術だそうだ。 マスクをして顔の大部分を隠すことができる時期だと、術後の状態を隠すことができるからだそうなのと、マスクによって目の周りだけが強調されるため、目尻の皺などを目立たないようにきれいにしたいためだそうだ。
韓国は美容大国としても知られている。また、就職氷河期といわれる韓国では、大学入学や就職を期に整形する女性が多いと言われ、見た目をよくすることで、少しでも難関を有利にするといわれる。こんな話をきいた日本人から、韓国人のこの人はどこを整形しているのと聞かれることもけっこうあったが、私には全然わからなかった。 整形市場規模が世界でもベスト10に入ることもあり、日本から渡航する人の割合もけっこうあったそうが、コロナで海外渡航禁止のなか、韓国に行くことができないため、日本で施術する人も増えているのだそうだ。
韓国の化粧文化を紹介する展覧会にもいくつか関わったことがある。 韓国人の化粧の歴史とともに、韓国人の考える美人とはどんな基準なのか、「美人図」といった絵画や小説などでの描かれ方を伺う機会もあった。文献上は、けっこう中国からの影響もあるものだと思ったものだ。 韓国の伝統的な化粧法は、自然由来のものがほとんどで、洗顔を中心とした手入れ法が多く、美白のためのおしろいや化粧水なども早くから化粧品は使われていた。 両班の子女は、ファッションリーダーであった妓生(キーセン)とは全く違う化粧が望まれたりした。 体に傷をつけないため、耳にもピアスではなく、耳に掛るイヤリングを多用していた韓国人だが、美容整形していない人は珍しいと思われるほど近年は整形大国となったことは昔の人には思いもよらないことだろう。
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