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ガルテン〜私の庭物語
16 女性の刺繍に託した思い
2019年4月5日
原田 美佳 原田 美佳 [はらだ みか]

東京都出身。学生時代から長年関わった韓国文化院を2015年末に退職。現在は、日本ガルテン協会の広報部長の仕事をしながら、これまで関わってきた韓国文化を日本に紹介するための著作、交流活動を中心に自分のライフワークを模索中である。共著書に『コンパクト韓国』(李御寧監修)、『読んで旅する韓国』(金両基監修)、「朝鮮の王朝の美」、『朝鮮王朝の衣装と装身具』などがある。
▲           鏝・火熨斗 韓国刺繍 若かりし祖母
 刺繍は、フランス刺繍や中国の両面刺繍など古えよりさまざまなところで行われてきた手工芸である。
 幼い頃は、刺繍といえば、フランス刺繍や、プチポアンのようなウィーンのものが周囲で行われていることが多く、以前、中世ヨーロッパではどちらかというと上流階級の夫人たちによって行われてきた優雅なイメージがある。
さまざまな民族衣装には、刺繍が施されていることが多く、その文様や色は立体的にもなり、華やかで美しい。

 祖母の残した紅葉などの刺繍の練習した布があった。和刺繍である。
曾祖母の考えで、祖母は女学校を出てから女性も手に職をつけなければならない。そのためにはお嬢様の手習いではなく、しっかりした師について学ぶようにと住み込みで、綿百裁縫学校にいれらたという。結婚後は毎週のように髪結いしてもらいに行くのが仕事だったのが、戦争未亡人となっても、そのおかげで戦後も着物の仕立てなどで暮らして来れた。
着物を縫うのに急ぎのときは、手分けして両方から縫ってぴったり合わないといけないほど針目には厳しいものだったという。もっとも素人と異なるのは押しの技だそうで、見たときも必ず完成してから一晩ほど押しを掛けていた。

 同じく、韓服の舞台公演で思い出すのが、アイロン掛けである。人前に出るときには弟子が来日するや否やみなでまず数着、十数着の韓服にアイロン掛けをする。ホテルでアイロンを揃えて数名で掛けるとなると、電圧もあり、たいへんである。人間国宝の先生方になるとシルクや麻で、金箔や刺繍の衣装も多く、気を使うことこの上ない。

 朝鮮王朝時代の女性たちのアンバン(内房)のなかでは、閨中七友(ギュジュンチルム)とよばれた必需品として、物差、鋏、針、糸、指貫、とともに、鏝、火熨(アイロン)が用いられた。
韓国の民間の家庭で韓服やポジャギに施された刺繍は、家風や用途によって変化はあるものの、その特色は、家族の長寿と幸福、安寧への願いを文様と色彩に託した表現の自由さにあるといえる。
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