1989年創立 個の出会いと交流の場 研究会インフォネット
HOME 研究会インフォネットとは 会員規約 お問い合わせ
会員専用ページ
過去のINFONET REPORT カレンダー 会員連載エッセイ なんでも掲示板
会員紹介 財務報告
会員連載エッセイ
最近の記事 以前の記事
ボーダーを越えて
18 世界アボカド会議
2003年10月29日
雨宮 和子 雨宮 和子 [あめみや かずこ]

1947年、東京都生まれ。だが、子どものときからあちこちに移動して、故郷なるものがない。1971年から1年3ヶ月を東南アジアで過ごした後、カリフォルニアに移住し、現在に至る。ボリビアへの沖縄移民について調べたり書いたりしているが、配偶者のアボカド農園経営も手伝う何でも屋。家族は、配偶者、犬1匹、猫1匹、オウム1羽。
▲ 世界アボカド会議会場入り口。
▲ 進行中の会議。
▲ 会議場で、アボカドと合うスペインのシェリーはいかが、と独特の柄杓でグラスに注ぐセニョリータ。
南スペインのマラガで開かれた第5回世界アボカド会議(World Avocado Congress)から帰宅しました。世界アボカド会議は1987年に南アフリカで開催されて以来、4年ごとに開かれています。第2回目はカリフォルニア、第3回目はイスラエル、第4回目はメキシコで、私たちは2回目と4回目にも参加しました。

回が重なるごとに、参加者数も参加国数もだんだん増えてきています。今回も、私たちが実際に話をした人たちだけでも、メキシコ、アメリカ(カリフォルニアとフロリダ)、チリ、南アフリカ、スペイン(カナリア諸島も含む)、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルという主要生産国の他に、ペルー、アルゼンチン、グァテマラ、ブラジル、ケニヤ、ガーナ、そして台湾という中規模以下の生産国、そしてイギリスとフランスという消費国からも参加がありました。参加者数は会議開催中に発表されなかったので正式な数字はわかりませんが、およそ1000人ぐらいだったと思います。

参加者数からだけ見れば、アメリカの主要学会の方が圧倒的に大規模なのですが、参加国の数や、参加者の多様性からいったら、世界アボカド会議の方が幅広く、はるかにおもしろい。あらゆる角度からアボカドの生態や育て方や病気や害虫などについて地道に研究しているリサーチャー、そういう研究成果を学んで生産性を高めようとする生産者、生産されたアボカドを好条件で輸送・貯蔵しようとする流通関係者、市場開拓に勤しむビジネス関係者、輸入条件を決める政府関係者などが、一堂に集まるのですから。今回は、特に参加国数が増えて、しかも会場にはいままで以上に熱気がこもっていたと言えます。

熱気がこもったのは、大きな利益を上げられる樹木作物は、現在、アボカドだけだからです。オレンジやレモンからは大した収益が上げられず、カリフォルニアではその生産面積はどんどん減っています。アボカドはコーヒーと同じ自然条件の土地に育つのですが、グァテマラではコーヒー園がアボカド園に変貌していると、グァテマラの生産者代表は言っていました。ケニヤではコーヒーの木を切ってはいないまでも、拡張されているのはアボカド園だけだそうです。

それだけアボカド市場は生産が追い付かないほど拡大の一途を辿っているのです。健康食品として理想的で、所得の高い国の消費者のライフスタイルに向いているからです。しかも、現在のアボカド消費量はまだまだ低いので、プロモーション次第でアボカドの需要は伸びる一方だろうという予測があり、アボカドに関わっている人たちはワクワクしているのです。今回の会議では、アボカド市場としてヨーロッパに焦点が当てられていましたが、プロモーションの重要な例として、日本ではアボカドが健康食品として理想的というテレビ放送があった直後に需要が急騰したことが、メキシコ人から指摘されました。(このことでは、この掲示板で情報交換がありましたね。ご協力、ありがとうございました。)

最大の市場はやはりアメリカです。何しろ、メキシコ系人口が急増していますし、中西部などではまだアボカドを食べたことのない人が大勢いますから。カリフォルニア生産は需要に追いつけなくて、チリ、ニュージーランド、メキシコから輸入しているくらいです。それに絡んでアメリカ(カリフォルニア)とメキシコの生産者の間には国際政治問題もあります。そのことや、各国のアボカド生産について、最新情報を得てきましたので、少しずつこの場でご紹介するつもりです。

この世界アボカド会議でいろいろな報告を聞いたり、専門家に直接質問したりして、アボカドの生態についての私の知識も、また少し広がったように思います。そのため、「7 女性花・男性花」と「8 父親不明」で書いた中であいまいなことや不正確なことがあることにも気がつきました。すでにその部分を修正しましたので、アボカドについて正確な知識をお求めの方は、もう1度その2つをご覧になってください。

ところで、ハースマザーの木の遺骸をどうするかについて、世界アボカド会議で決定する予定だと「16 ハースマザーの木(下)」で書きましたね。が、どういう訳か、そのことは全く議題に上りませんでした。どうするかの決定の時期が熟していないのかもしれません。その代わり、と言っていいのかどうかわかりませんが、ハースマザーの木についてちょっとした特ダネ(?)をお届けできるかもしれません。でも約束はできないので、内容については、いまは内緒。
最近の記事 ページトップへ 以前の記事
ボーダーを越えて
雨宮 和子
かくてありけり
沼田 清
葉山日記
中山 俊明
寄り道まわり道
吉田 美智枝
僕の偏見紀行
時津 寿之
ぴくせる日記
橋場 恵梨香
縁の下のバイオリン弾き
西村 万里
やもめ日記
シーラ・ジョンソン
きょう一日を穏やかに
永島 さくら
ガルテン〜私の庭物語
原田 美佳
バックナンバー一覧
200 小さなしあわせ
199 お葬式
198 とうとうやって来た日、そして雨
197 思い切り生きる
196 一夜が明けて
195 ヘザーと私の日本旅行記(6 下)文楽とフグ
194 ヘザーと私の日本旅行記(6 上)ショッピング
193 ヘザーと私の日本旅行記(5)多様な日本
192 ヘザーと私の日本旅行記(4 下)河津桜と温泉
191 ヘザーと私の日本旅行記(4 上)伊豆へ向かう
190 ヘザーと私の日本旅行記(3)葉山・鎌倉
189 ヘザーと私の日本旅行記(2)江戸・かっぱ橋・オフ会
188 ヘザーと私の日本旅行記(1) 日本到着
187 生ある日々を
186 花嫁の父
185 プラチナの裏地
184 家族をつなぐ指輪
183 「血の月」を追いかけて
182 ママハハだった母
181 アジア人(下)固定観念を越えて
180 ジプシーの目
179 選挙に映ったアメリカの顔
178 とうとう、きょう
177 アジア人(上)その概念
176 海軍出身
175 特攻志願
174 お祭り
173 ありがとう、で1年を
172 クリスマスプレゼントが今年もまた
171 スージー・ウォンの世界
170 秩序の秘訣
169 黒い雲の行方
168 ドアを開けたら
167 今年もまた
166 ボリビア(7)ボリビアで和菓子を
165 ボリビア(6)パクーの登場
164 ボリビア(5)卵の力、女性の力
163 ボリビア(4)小麦の都
162 ボリビア(3)米の都
161 ボリビア(2)2つの日系移住地
160 ボリビア(1)サンタクルス
159 闇の中で
158 みんなの宝物
157 新語の中身
156 年末のご挨拶
155 ピッチピッチチャップチャップ
154 神の仕業
153 ラタトゥイユ(2)レシピ
152 ラタトゥイユ(1)
151 プティ・タ・プティの最後の1片
150 ジプシーとの知恵競争は続く
149 豊かな粗食
148 中絶抗争
147 スーザン・ボイルの勝利
146 黄昏の親子関係
145 子ども好き
144 言葉雑感(8)regift
143 言葉雑感(7)「ん」の音
142 アメリカの理想
141 ときめく日の足音
140 言葉雑感(6)ミルクとは
139 ミルクの教訓
138 年末の独り言
137 投票日日誌
136 あと3日
135 ペイリンから見えるアメリカ
134 訴訟顛末記(1)まず弁護士を
133 園遊会で
132 柔の姿勢
131 言葉雑感(5)4文字言葉
130 豪邸の住人
129 言葉雑感(4)カミはカミでも
128 言葉雑感(3)ブタ年生まれ
127 言葉雑感(2)子年のネズミ
126 言葉雑感(1)グローバルなピリピリ
125 やって来た山火事(最終回)これから
124 やって来た山火事(9)いとおしい木々
123 やって来た山火事(8)現実に直面して
122 やって来た山火事(7)焦燥の2日間
121 やって来た山火事(6)私の方舟
120 やって来た山火事(5)避難準備
119 やって来た山火事(4)止まない風
118 やって来た山火事(3)第1日目の夜
117 やって来た山火事(2)第1日目の夕方
116 やって来た山火事(1)第1日目の昼下がり
115 しあわせな1日
114 チェ
113 メキシコの息づかい
112 「石の家」
111 「バッキンガム宮殿」での晩餐会
110 ケーキ1切れ
109 「豊かさ」の中身
108 イタリアの修道僧
107 3年ぶりの日本
106 キューバ:アメリカの恥
105 キューバ:バラコア
104 キューバ:甘い歴史の苦い思い出
103 キューバ:2つの通貨
102 キューバ:近過ぎて遠い国
101 ホンジュラス(最終回)去る者,残る者
100 ホンジュラス(19)シエンプレ・ウニードス
99 ホンジュラス(18)ガリフナ放送
98 あと1年、だったら
97 無信仰者のクリスマス
96 ホンジュラス(17)ガリフナ
95 ホンジュラス(16)バナナ共和国
94 ホンジュラス(15)マヤ文明の跡
93 ホンジュラス(14)牢獄の中と外
92 ホンジュラス(13)先住民の女性たち
91 ホンジュラス(12)一番安全な町
90 ホンジュラス(11)オランチョの森(下)
89 ホンジュラス(10)オランチョの森(上)
88 金鉱の陰で(追記)カリフォルニアで
87 ホンジュラス(9)金鉱の陰で(下)
86 ホンジュラス(8)金鉱の陰で (中)
85 ホンジュラス(7)金鉱の陰で (上)
84 ホンジュラス(6)原則に沿って
83 ホンジュラス(5)農地のない農民
82 移民政争とラティノの力(続)
81 移民政争とラティノの力
80 ホンジュラス(4)消え去った人々
79 ホンジュラス(3)ホテル・ナンキンで
78 ホンジュラス(2)レンピーラ
77 ホンジュラス(1)行ってみよう
76 本物を見る
75 豊かな心
74 蝶の力
73 単刀直入
72 愛の表現
71 ベネット・バーガー
70 感謝の日
69 思わぬ道草(最終回)原点
68 思わぬ道草(19)回復に向けて
67 思わぬ道草(18)人は孤島にあらず
66 「ニューオーリーンズ」に見えたもの
65 思わぬ道草(17)一歩後退の教訓
64 思わぬ道草(16)日没症候群
63 甦生の兆し
62 ニューオーリーンズとクリスチャン
61 思わぬ道草(15)もつれた糸
60 思わぬ道草(14)彼の青い目(下)
59 思わぬ道草(13)彼の青い目(上)
58 思わぬ道草(12)ローマ鎧
57 思わぬ道草(11)看護師騒動
56 思わぬ道草(10)近くの他人
55 思わぬ道草(9)ロールバー
54 思わぬ道草(8)楽観の2日間
53 思わぬ道草(7)一人三脚
52 思わぬ道草(6)長い夜
51 思わぬ道草(5)OR
50 思わぬ道草(4)ER
49 思わぬ道草(3)常習犯
48 思わぬ道草(2)目撃者
47 思わぬ道草(1)3月14日の夕方
46 訛った英語
45 イギリスの英語
44 英語とアメリカ
43 海の中に(下)
42 海の中に(上)
41 姓というマーカー(下)
40 姓というマーカー(上)
39 国籍あれこれ:選択肢
38 国籍あれこれ:彼の場合
37 国籍あれこれ:私の場合
36 ボーダーとは
35 最終回:グローバリゼーション
34 番外編:クリスマス・ディナー
33 サンタアナの風
32 お刺身パーティー
31 アボカド泥棒
30 アボカドと生きる鳥
29 カラスのご馳走
28 三つ子の魂
27 子宝のもと?
26 アボカド探検家
25 ゴールドラッシュの波紋(下)
24 ゴールドラッシュの波紋(上)
23 海を渡って(下)
22 海を渡って (上)
21 コンキスタドール
20 アボカド事始め
19 ハースマザーの行方
18 世界アボカド会議
17 フエルテ
16 ハースマザーの木(下)
15 ハースマザーの木(上)
14 鶏より馬
13 働く人々
12 花婿の父
11 シンコ・デ・マヨ
10 「奇跡の3月」
9 アボカド形の穴
8 父親不明
7 女性花・男性花
6 トーマスのギャンブル(2)
5 トーマスのギャンブル(1)
4 成熟と完熟
3 グァカモーレ
2 アボカドさまざま
1 メックスフライ
ページトップへ
Copyright(C) FORUM INFONET, All rights reserved. Copyright(C) FORUM INFONET, All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラスト等、全てのコンテンツの無断転載・複写を禁じます。
0 8 6 2 7 0 3 2
昨日の訪問者数0 4 3 7 8 本日の現在までの訪問者数0 1 6 2 1