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21 変わりゆくおふくろの味
2014年3月18日
明子・ミーダー 明子・ミーダー [AKIKO MIEDER]

東京都小平市出身。5年間のOL生活の後渡米。カリフォルニアのサンディエゴに23年住んだ後、アイドルワイルドという小さな山間の町に引っ越し、現在アメリカ人の夫と猫3匹と田舎生活を楽しんでいます。サンディエゴから2時間の距離の町ですが、標高1800メートルの山の上の生活は、サンディエゴとは全く違います。そんなところでの日々の暮らし、感じたことを綴っていこうと思います。
▲ パウチ惣菜の主菜と副菜3品
以前、日本語放送の番組で、コンビニのパウチ惣菜を取り上げていました。コンビニの自社ブランドのお惣菜が、パウチパックに入って冷蔵ケースで売られているそうですが、商品のメリットは、要冷蔵ではあるけれど日持ちがする、個包装や少量パックである。そのため、一人暮らしや共働きの主婦に需要があるそうです。また、今までコンビニの利用者は若い男性や一人暮らしがメインでしたが、東日本大震災直後、物流が不安定な状況下で、あらためてコンビニの利便性を再確認した人も増えたそうで、主婦やシニア層の需要も増えたそうです。

コンビニ自体、私にとっては馴染みがなく、私が日本に住んでいた時にもコンビニはありましたが、ほとんど足を踏み入れたことがありませんでした。コンビニは割高という思いと、一人暮らしではなかったので食料品等を買う必要も無かったからだと思います。アメリカで知り合った友人は、日本にいた時にはコンビニをスーパーマーケット代わりに使っていたと言います。彼女が「コンビニのおでんがおいしい」と言うので、里帰りした時に食べてみたら、本当に美味しくてビックリしました。おそらく、それが最初で最後のコンビニ体験です。

番組では、街頭で年配の主婦にインタビューしていましたが、みんなパウチ惣菜を利用していると答えていました。年配の主婦というのには驚きましたが、先にも書いたように、震災後の利用者層が広がったせいでしょう。また、パウチ惣菜だけで主菜と副菜が完成するとも言っていました。例えば、肉じゃが、マカロニサラダ、ごぼうサラダ、卵焼きといった具合です。(上の写真)あとはご飯を炊いて、お味噌汁を作れば立派な夕食の出来上がり。現代の忙しいライフスタイルでは、早く、安く、美味しいものが求められるのも不思議ではありません。温めるだけ、価格も100〜300円、かつ美味しい。夕方疲れて帰ってきて、お腹をすかせた子供達が待っているというシチュエーションで、主菜に副菜3品を一から作るのは億劫だと思うのは当然でしょう。冷蔵庫から出して温めるだけで、美味しくてみんなが満足する夕飯ができてしまう、それがパウチ惣菜の人気の所以なのでしょう。しかし、これでは、今まで言われてきた「おふくろの味」がなんだったのかわからなくなります。デパ地下のお惣菜やパウチ惣菜の味がおふくろの味になってしまうのでしょうか?家庭の味というものが、失われつつあるように感じます。

日持ちがするということは、保存料や合成着色料の使用が気になります。(セブンイレブンでは保存料も合成着色料も使用していないとホームページに書いてありました。)肉じゃがで見てみますと、家庭で肉じゃがを作る場合、食材はジャガイモ、人参、たまねぎ、牛肉、調味料は砂糖、酒、みりん、醤油、サラダ油。あいにく、パウチ惣菜の原材料のレベルを確かめることができないので、はっきり断定はできませんが、おそらく家庭で作る場合の食材、調味料以外のものが含まれているのではないかと思います。要するに、私たちは必要でないものが含まれた食べ物の味に慣れてしまっているということです。

出来合いのものは、一様に味が濃いと感じるのは私だけでしょうか?薄味より、ちょっと濃いめの味付けの方が好まれるのでしょうか?私は以前、マクロビオティックを実践していた時期がありましたが、マクロビオティックでは食材(野菜や乾物)本来の旨味を生かす為に、味付けはシンプルで優しい味です。そういう味付けに慣れたせいか、出来合いのものを食べるとしょっぱ過ぎたり甘過ぎたり、尖った味だと感じます。調理をすると薄味になってしまうので、主人にはいつも文句を言われていますが.....

一時期、アメリカ人の20代の女性と食事を共にしていましたが、ほとんどの人が食卓で塩、マスタード、タバスコ等のホットソースを使用していました。濃いめの味付けが好みなのは、日本人だけではなさそうです。むしろ、アメリカの方が冷凍食品やファストフードの先進国なのでしょう。

早い、安いといえば、ファストフードがあります。どこへ行っても同じメニュー、同じ味。国内のみならず、海外へ行っても、慣れ親しんだ味、味の保証があるので食べてしまう。せっかく足を運んだ旅先で、そこでしか味わえない食べ物よりも、どこででも食べられるファストフードを選択してしまうのは悲しい気がします。

子供の頃から出来合いのものやファストフードを食べていると、均一化された味に慣れてしまい、大人になってもそういう習慣が続くでしょう。食育も何もあったものではありません。もはや、食事というのは作るものではなく、既製品を食卓に並べるものになりつつあるようです。

私はここで食育を説くつもりはありませんし、現代の忙しいライフスタイルを反映した新しい食のあり方を否定するつもりもありません。台所から漂う煮たり焼いたり炒めたりする時の香り、音、そうして作られた食べ物の味。食事というのはそれらをトータルで楽しむものであって欲しいと感じます。「本物の」おふくろの味が失われないことを願います。
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