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ハンバーガー |
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2003年1月18日 |
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 | 中山 俊明 [なかやま としあき]
1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。 |
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▲ オリーブの木のうえに鳥の巣箱を置いた。主人の「移り気」と「引越し好き」を見破られたせいか、3か月経つのに鳥はまったく寄りつかない。 |
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MACでこれを書いて、いや、打っている。 ノートパソコンはSONYのVAIO。マックで、というのはマクドナルドハンバーガーのこと。混乱させてすみません。 さっき注文カウンターに並んでいるとき気がついたのだが、飲み物なしでハンバーガーだけ買うひとが目立つ。それも3個とか5個とか、そしてテイクアウトしていく。それにしても驚く安さだ。1個が69円。こちらはチーズバーガーセットで500円。するとなにか?僕はコーラとフライポテトだけに430円を支払わされているわけか。価格破壊目玉商品で客をつっておいてセット商品でぼろもうけ。こういう商売はタダシクないなあ。
同じファーストフードでもモスバーガーはずっと良心的に思える。店員のサービスもいいし、店内は清潔、素材も無添加にこだわっているようだ。ほぼ同じ値段で、あきらかにモスの商品、サービスの方がすぐれていて、しかもモスの事業はきちんと成り立っている。ということは、マクドナルドの方が圧倒的に利幅の大きい商売をしていることを意味する。この利益を採算度外視の69円バーガーに注ぎ込み競合を蹴落とす、という戦略だろうが、アザトイなあ。中小企業の「貸しはがし」に奔走するメガバンク経営者の顔と、日本マクダナルトの社長の顔がオーバーラップする。
一時、BSE(狂牛病)が騒がれたとき、マクドナルドは「当社の牛肉はすべて米国産なので心配ありません」というキャンペーンをはった。米国産肉はほんとうに安全なのか?。「ファーストフードが世界を食いつくす」(草思社)という本をぜひ読んでみて欲しい。米国産肉が「安全」なのは、強力な薬品で徹底管理されているためだ、ということがわかって慄然とするだろう。
僕がいま深くかかわる業界でも価格破壊の問題が深刻になってきた。売上低下→安売りしてでも売りあげの確保、というあせりは理解できなくはない。だが一度でも安値の味を客に覚えさせてしまったら長年の汗と努力で積み上げてきたブランド価値は崩壊する。そして2度と復活はありえない。いまは苦しくても辛抱のときだ。「質」を維持すること。顧客を裏切らないこと。やがて、まちがいなく「量より質」の時代がやってくる。
週1度、2泊3日で葉山から東京へ出てくるという生活がここ1年続いている。すべてのアポをこの3日間にうまくアレンジさせて集中的にいろいろなひとに会って回る。
おかげで地下鉄に詳しくなった。味わいのある駅名が多い。人形町、小伝馬町、馬喰町、八丁堀、門前仲町、茅場町、木場、葛西。山本周五郎や藤沢周平の作品を思い浮かべながら移動する。または、おお勝海舟が若かりし頃は、毎日、毎日この距離を走って剣術や学問にいそしんだのか、昔のひとはえらいもんだ、とかね。江戸の町並みや人々の暮らしを地名から想像しつつ地下鉄を乗リついでいくのはとても楽しい。 町の顔、人々の顔。いまはそれをじっくり観察させてもらっている。日本という国が崩れていく姿を、半分は楽しみながらみている。
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