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ガルテン〜私の庭物語
6 金徳洙さんとサムルノリ
2018年3月1日
原田 美佳 原田 美佳 [はらだ みか]

東京都出身。学生時代から長年関わった韓国文化院を2015年末に退職。現在は、日本ガルテン協会の広報部長の仕事をしながら、これまで関わってきた韓国文化を日本に紹介するための著作、交流活動を中心に自分のライフワークを模索中である。共著書に『コンパクト韓国』(李御寧監修)、『読んで旅する韓国』(金両基監修)、「朝鮮の王朝の美」、『朝鮮王朝の衣装と装身具』などがある。
▲ 金徳洙芸道50周年記念&日韓文化交流25周年記念公演ちらし
〜 鼓魂、天壌を翔る 〜
▲ 韓国伝統文化の夕べでのサムルノリの公演
1982年6月 韓国文化院(池袋・サンシャシン60)
韓国の音楽といって、まず思い出されるのは、民謡「アリラン」だろうが、心沸き立つリズム感あふれる音を奏でる楽器―チャンゴ、ケンガリ、プク、チン(鉦)といった打楽器で打ち鳴らされるのがサムルノリ(사물놀이)。

村祭りといったときに人々が集まる広場などで楽しむ農楽を、室内で座って演奏する形式として1978年2月22日に金徳洙(キム・ドクス)さんが、金容培(キム・ヨンベ)、崔鍾實(チェ・ジョンシル)、李光壽(イ・グヮンス)各氏らとともにソウルの「空間舎廊」で舞台化したのがサムルノリの始まりでもある。

今年40周年を迎えるサムルノリは、増上寺のプログラムでも「四物遊撃」と漢字をあてられたように、おもに四つの打楽器を中心に演奏される。

チャンゴ(杖鼓、長鼓)と呼ばれる太鼓を打ちながら長年、韓国伝統音楽の第一線で活躍してこられた金徳洙さんとは、韓国文化院で学生時代に初めてお目にかかり、増上寺、高麗神社、草月会館など日本での公演も数多く見せて頂いた。

1988年のソウルオリンピック大会の日本記念公演をはじめ、ワールドカップサッカー大会の応援歌「A He Ho」など様々な音楽シーンで人気を博してきた金徳洙さんは、放浪芸人集団「男寺党」で活動していた父の血を引継ぎ、5歳でデビューし幼い時より韓国全土ばかりでなく、世界各地を回り、多くのアーティストとセッションしながらサムルノリを発展させて来られた。

韓国の精神文化研究院で学んだ時に、私も韓国文化学習の一環としてチャンゴを学んだ。短期だったのでヨーロッパからの学生たちが逃げ出すほどの指導、練習だったがたいして上手にはならなかった。

金徳洙さんの韓国YMCAでのワークショップの陣中見舞いを兼ねて覗きにいったときにちょうどチャングの体験のため呼吸法の練習をしていた。
休憩時間もみな疲れて伸びている中、一人元気に練習など続けていた徳洙さんに、呼吸法をみっちりやるのですね、と声をかけたら、韓国の呼吸法ができなければ伝統音楽はできないからねと返ってきた。
それから数時間、全く初めての年配の方もけっこう叩けていた。

韓国の楽器は、風、雷、雲、雨といった天地、宇宙を表すといわれ、長短(チャンダン)といわれるリズムを刻むのも、一呼吸を分けてリズム、拍子を数えるという伝統の呼吸法を体得しなければ、どの韓国伝統音楽も理解しがたいし、何の意味も持たない。
やはり、学ぶならその道の一流の師からとしみじみ思わされた。
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