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葉山日記
16 日本の景気は回復する
2003年7月10日
中山 俊明 中山 俊明 [なかやま としあき]

1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。

ニックネームはTOSHI、またはiPhone-G(爺)
仕事仲間とお茶を飲みながら「日本の景気は底を打ったと思いますよ」と言った直後、株が上昇し始めた。現在、日経平均は1万円をはさんで行ったり来たりの状態だ。僕のカンでは、株はこんご一進一退はあるにしても、上昇カーブを描いていくだろう。日本の景気も徐々に回復していくと思われる。

もとよりカンであるから、専門家にその根拠を尋ねられてもきちんと論理的に説明できるわけではない。専門家はもっともらしい分析をしてくれるが、僕はいわゆる経済の専門家といわれるひとを信用していないのだ。マスコミに登場する、金融現場やシンクタンク等の専門家の発言を見聞きしていると一定の法則があるのに気づく。たとえば株が下がり始めると、これからより下がる、という。上がり始めるとより上がる、という。つまりその時点、時点の状況の気分、といったものの流れに沿った物言いしかしないのだ。

1991年、僕は会社を辞め、アメリカに渡るにあたり自分の家を売った。日本のバブル経済が破裂する直前のことだ。友人知人の多くは「もしあなたが事業に失敗しても不動産があればなんとかなる。土地は手放すな」と僕にアドバイスした。僕は「いや土地といえども暴落する。株も暴落する」と言ってあえて土地を売った。「友人知人の多く」と書いたが、僕の予想を支持するひとは当時皆無だった。それどころか僕の予想を聞いてせせら笑うひとさえ多かったのだ。

そのとき同時に僕は、「やがてアメリカが復活し、日本が没落する」とも言った。事態はその通りになってしまったので、いまとなっては、それが?当たり前でしょ、という話になってしまうかもしれない。しかし当時の状況は、いまでは信じられないかもしれないが「21世紀の世界経済の主役は日本」という雰囲気が支配的だった。僕の考えは当時の時代の空気のなかでは、きわめて少数派の意見だった。

僕がなにやら自慢話をしているように聞こえるかも知れないがそうではない。あるビジネスマンにこの話をしたところ「予想屋じゃしようがないわけで」と冷たく言われた。まさに仰せの通りである。たとえばここにだれにも注目されないが、あなただけが目をつけた馬がいるとする。あなたが「この馬はダービーで優勝するだろう」と他人に予想を披瀝する。果たして馬はみごと優勝。万馬券である。「どうだ、私の言ったとおりだろう」と友人に自慢する。そこで友人はあなたに尋ねる。「それで君はいくら儲かったの?」。あなたがもし馬券を買っていなかったとしたら? あなたはバカと言われるか、「言うだけならだれでも言える」と言われるか。ビジネスマンが僕に冷たい視線を投げたのはそれと同じ類の話だからだろう。

いやいやあまり過度に謙虚になる必要はないかも知れない。僕は自分の家を、そのとき、5年前の購入価格の50%以上高い値で売った。ぼろもうけですね。売った家というのは、現在の僕の家の近くにあり、そのかつての隣家とはいまでも親戚いじょうの付き合いがある。つまり僕に高い値段で家を買わされてしまった方とは、ときどきいやでも顔をあわせる。売った家のほうはその後大暴落してしまったわけだから、会えばどうもおたがい気まずいが、これは合法的な経済行為の結果だからいたしかたない。

ま、そんなことはどうでもいい話だ。僕がここで言いたいのは、いわゆる専門家の話は、参考程度にきいておくことだ。世のなかの動きは、専門家といえどもなかなか考えたとおりには進まない。そして多くのひとは今の状態が未来永劫続く、と考える傾向が強い。バブルのときは、いまから思えば日本人全体が狂っていたとしか思えないが、ほとんどのひとがバブルの渦中にあっては異常を異常とは思わなかった。

そしていま、人々はもうかつてのようないい時代は2度とおとずれることはなく、日本の未来は暗い、と信じ込み、ただただ沈み込んでいる。はたして本当にそうなのだろうか。
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