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執筆方針やや転換 |
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2003年9月8日 |
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 | 中山 俊明 [なかやま としあき]
1946年4月23日生まれ。東京・大田区で育つが中2のとき、福岡県へ転校。70年春、九州大学を卒業後、共同通信に写真部員として入社。89年秋、異業種交流会「研究会インフォネット」を仲間とともに創設、世話人となる。91年春、共同通信を退社、株式会社インフォネットを設立。神奈川県・葉山町在住。 |
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▲ エッセイ仲間の清っさんからいただいた種から育ったニガウリです。これで5本目の収穫。この調子でいくと20―30本くらいはいけそう。 |
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このエッセイ欄だが、これまでの長さのものを書こうとすると、大した内容ではないにしても、それなりの時間(ふつう2―3時間)と、「さて書くか。やれどっこいしょ」という気力がいる。
時間の方はなんとでもなるのだが、さいきんかんじんの気力のほうがなかなか湧いて来ない。その理由ははっきりしていて、会社の事業が苦戦しているからだ。
仕事が忙しいと気力も充実し、不思議と筆もがんがん進む。先きが見えなくなると、気力が落ち、筆力も落ちる。それでも気力を振り絞ってなんとか行数を稼ごうとすると、正直なもので、それが文章に表れる。つまり面白くない。筆者が面白がって書いていないものが、読者に面白いわけがない。
今日もいくつかのテーマで挑んでみたが結果はだめ。まーったく面白くもなんともない。
なにしろ僕がやろうとしている事業というやつは、これまでこの世に存在しなかった新しい分野のビジネスだ。いつカタチになるのか、言い換えればいつお金になっていくのか、先きがはっきりと見えない。それでも少しずつでも話が進んでいるあいだはいいのだが、ときどき動きがストンと止まるときがある。
不思議とそういう時期というのは、着メールもストンと止まる。「新着メッセージはありません」という表示ばかりが続く。来るのはいわゆるゴミメールばかり。こうなると精神状態は最悪。お先真っ暗状態がおとずれる。考えかたが悪い方、悪い方に向かって悪循環を始める。つまりこれってうつ状態ですね。
こういうときこそ、時間がたっぷりとあるのだから、気分転換でエッセイを書いたり、庭仕事に励めばよさそうなものだが、この状態にはまるとなかなか気分が高揚してこない。行くぜっ、と盛り上がってくるようなパワーがなくなり、ボクなーんにもしたくないもんね、状態になる。
そこでアイデアがひらめいた(というほどのことでもないが)。書く気力が起きないときは、文章を短めにまとめてしまおうということだ。内容がないのに一定の長さを埋めようとするから無理が来る。そうだ、内容に見合った、そして、そのときの気力に見合った文章を書けばよいではないか。
で、しばらくは、日記代わりの短いエッセイが続くことになるかもしれない。僕の文章がだんだん長くなってきたら、それは僕が元気になってきた証拠。短いあいだは「苦闘中」とご理解いただいて今後ともご愛読のほどを。
まあ、これまでの人生のパターンを振り返ると、僕の場合、谷が深いほど、あとの跳ね上がりが大きいのですね。これまでどおり、悩めば悩むほど、道が険しければ険しいほど、結果が大きく出る、と信じてしばらく小刻みに進みます。
なんだか今の精神状態、僕が「ニッポン総鬱症候群」と呼んでいるわが国の現状と似ていなくもない。とすると、これは個人現象ではなく社会現象か。と冷静に分析できる僕はいまだ冷静で客観的な視点を失ってはいないーと相変わらず自分に都合のよい論理を展開するところなんぞは、なにも変わってないのである。
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